ファミコン以前の日本の家庭用ゲーム

日本の玩具メーカーは、任天堂の「ファミコン」(1983年)以前の時代に、エレクトロニクスの専門知識を活用して多くのビデオゲームを制作していました。ここでは、そのような1983年以前のビデオゲームを展示します。

The Strong National Museum of Play

In partnership with Ritsumeikan University

System 10 Console with “Mauser type” Gun (1977) by EpochThe Strong National Museum of Play

「モーゼル型」銃を備えたエポック社の「システム 10」 (1977 年)

1975年、エポック社は日本初の家庭用ゲーム機「テレビテニス」を発売しました。このボール&パドルゲームからわずか2年後、同社は最大4人のプレーヤーがテニス、サッカー、ライトガンでのターゲット射撃を競うことができる「システム10」をデビューさせました。

Color TV-Game 15 (1977) by NintendoThe Strong National Museum of Play

任天堂の「カラーテレビゲーム15」 (1977年)

15 種類のテニス ゲームをプレイできる「カラーテレビゲーム15」 は、1977 年に発売され、任天堂のベストセラーになりました。今日ではほとんど忘れられていますが、任天堂の『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズにおいて、相手を攻撃するためのパドルとボールを呼び出すアシストトロフィーとして、登場し続けています。

TV Fun Color Model 601 (1977) by TomyThe Strong National Museum of Play

トミーの「TVFUNカラーモデル601」(1977年)

タカラトミーから発売された「TV FUN」シリーズは8種類ありますが、その中でもずば抜けて人気を誇ったのが601モデルでした。1万円(2023年時点で約65ドル)という低価格が大きなセールスポイントとなりました。プレーヤーがボールを打つために使用するパドルのサイズを選択できるというユニークな機能も気に入られました。

TV JACK 1500 (1977) by BandaiThe Strong National Museum of Play

バンダイの「テレビジャック1500」 (1977年)

トミーの「TV FUN」の成功は、バンダイのような玩具メーカーにも独自のシステムを開発するきっかけを与えました。バンダイが「テレビジャック」シリーズでリリースした 7 つのゲーム機のうちの 1 つである 「テレビジャック1500」 には、ほとんどのシステムに備わっている典型的なパドルとは異なり、取り外し可能なジョイスティックのコントローラーが付属していました。

TV Baseball Game (1978) by EpochThe Strong National Museum of Play

エポック社の「テレビ野球ゲーム」(1978年)

エポック社の 2 人用の「テレビ野球ゲーム」は、1970 年代後半に登場した、ゲームソフトとハード一体型の多くの専用ゲーム機の 1 つでした。手に取ってプレイできる簡単さ、低価格、そして日本での野球人気により、消費者の間でヒット商品となりました。

Visicom (1978) by ToshibaThe Strong National Museum of Play

東芝の「ビジコン」(1978年)

1970 年代後半には、より複雑なゲームの需要により、メーカーは自社のシステムにマイクロプロセッサを追加するようになりました。さらに、東芝のような家庭用電化製品企業が、ビデオゲームを販売する玩具メーカーに加わりました。ビジコンは、日本初のCPUが搭載されたカセット交換式ゲーム機です。

TV Block (1979) by EpochThe Strong National Museum of Play

エポック社の「TVブロック」(1979年)

ブロックを破壊するゲームジャンルの最初の作品は、アタリの 『ブレイクアウト』でした。その後、日本の「ブロックくずし」アーケードゲームが作られました。任天堂の「ブロックくずし」とエポック社の「TVブロック」は、このジャンルを家でプレイすることを可能にしました。

Cassette Vision (1981) by EpochThe Strong National Museum of Play

エポック社の「カセットビジョン」(1981年)

カセットビジョン」は、1983 年に「ファミコン」が発売されるまでにおいて、日本で最も売れた家庭用ゲーム機で、約 45 万台が販売されました。大きなピクセルのグラフィックにより画面上のテキストが読みにくくなっているにもかかわらず、カセットを交換できる機能はプレーヤーに感銘を与えました。

Yosaku Game (1981) by EpochThe Strong National Museum of Play

「カセットビジョン」のヒットゲーム『与作』(1981年)

元々はアーケード用に SNK によって開発されましたが、「カセット ビジョン」用に作られたエポック社バージョンの『与作』というゲームはオリジナルよりも人気があり 、何千台ものゲーム機の販売に貢献しました。プレイヤーは木を切り倒し、敵を避ける木こりを操作するゲームプレイに夢中になりました。

Super Galaxian Handheld Game (1981) by EpochThe Strong National Museum of Play

エポック社の電子ゲーム、「スーパーギャラクシアン」(1981年)

1970 年代後半の電子部品の小型化により、垂直方向のスペースシューティングゲームである『スーパー ギャラクシアン』のようなアーケードゲームを安価な卓上バージョンとして制作できるようになりました。これらの蛍光表示管タイプの電子ゲームは、国内外で非常に人気がありました。

Akuryo no Yakata [Evil Spirit House] (1982) by BandaiThe Strong National Museum of Play

バンダイの携帯型ゲーム『悪霊の館』(1982年)

1980 年代、小型の電子ゲームのほとんどは小さなボタン電池で動作していました。その中でも、『悪霊の館』は、電池の代わりに小型のソーラーパネルを使用した最初のゲームの 1 つです。子供たちは幽霊やコウモリと戦うことを楽しみ、親にとっても電池を購入する必要がないことはメリットでした。

Pyūta Computer (1982) by TomyThe Strong National Museum of Play

トミーの「ぴゅう太」(1982年)

パソコンがまだ高価だった当時、玩具メーカーはゲームを販売するために手頃な価格の教育用モデルを販売していました。トミーの子供向けホビーパソコンの「ぴゅう太」 (他の地域では 「TOMY Tutor」と呼ばれた) には高価なモニターが付属しておらず、既存のテレビに接続できたことで、安価なパソコンを実現できました。

Nobunaga’s Ambition (1983) by KoeiThe Strong National Museum of Play

『信長の野望』(1983年)

光栄より発売された『信長の野望』は、1983 年に日本で登場し、シミュレーションゲームのジャンルに火をつけました。16 世紀に日本統一を目指した武将、織田信長の生涯に基づいたこのゲームは、プレイヤーに合戦中に軍事力を蓄え資源の管理をし、全国統一を果たすことを目指させました。

The Portopia Serial Murder Case (1983) by EnixThe Strong National Museum of Play

『ポートピア連続殺人事件』(1983年)

ドラゴンクエスト』シリーズの生みの親である堀井雄二氏が開発した『ポートピア連続殺人事件』は、アドベンチャーゲームというジャンルとして日本で人気を博しました。分岐するストーリーを備えた物語性に富んだ殺人ミステリーで、『メタルギア』シリーズのデザイナー小島秀夫など、後のゲーム開発者に影響を与えました。

Sega SG-1000 (1983) by SegaThe Strong National Museum of Play

セガの「SG-1000」(1983年)

任天堂が「ファミコン」を発売した同日、セガはSG-1000で日本人ゲーマーを獲得しようとしました。このゲーム機はセガの家庭用ゲーム機第一号で、「フリッキー」や「モナコGP」といったセガの人気アーケードゲームタイトルが含まれていました。

Nintendo Famicom (1983) by NintendoThe Strong National Museum of Play

任天堂の「ファミリーコンピュータ」(1983年)

「ファミコン」 (日本国外では Nintendo Entertainment System) の 14,800 円という価格は、これまでのカセット交換式のゲームハードよりも安く、日本の消費者にとって魅力的でした。さらに『スーパーマリオブラザーズ』のような印象的なゲームが多く存在し、日本中でブームを引き起こしたほか、全世界で 6,000 万台の販売を達成しました。

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