娯楽施設は全然ない。暇さえあれば一部の女はバクチにしたしんでいた。男の様にサイコロを転がす丁半や三ツズなどはせぬけれども(ヤマスケもせぬ)、花札(骨牌)あそびをする。四十八枚十二ヶ月を三人ぐりであって、ベタバナ、又はナカツバナとも称しており、その他豆札(ガジ札)とも云う四十枚もの一から十まであるので目くりもやっていた。これも三人組でボテとも称し、二人なればガジという男の遊び。
当時、数キロ離れた飯塚町西町に養老館 芝居座があるのみで、ヤマ人だちは尤も縁遠い事であった。
猪鹿蝶、赤タン、青タン、一杯、小ザンコくらいの手役をいれる。又、手札七枚カス斗りの時は開放してシラ役にする。