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A Fragment of Nyorai(Tathagata)

UnknownHeian Period(12th century)

Fukuoka City Museum

Fukuoka City Museum
福岡市早良区百道浜3-1-1, Japan

如来像のうち面部を含む上半身前面部の残欠である。現状では印相(いんぞう)をあらわす手の部分や持物(じもつ)が失われているため当初の尊名を特定することはできない。ただし、着衣の形式から右肩に衣を少し懸ける偏袒右肩(へんだんうけん)の如来像であったことが窺われる。材質はヒノキ材で彫眼(ちょうがん)とし、材の矧(は)ぎ目の状態から体幹部の構造は耳後線(じごせん)で前後二材に割り矧いだものであることがわかる。また側面には両肩材を連結するための雇(やと)いほぞが認められる。さらに像下部前面には像心束(ぞうしんつか)があることから、当初は坐像で膝前材を寄せていたと考えられる。内刳(うちぐ)りの状態は像の厚みが2センチ程度で全体に鑿跡(のみあと)が認められる。 また漆箔(しっぱく)が施された表面には当初のものとみられる唇(くちびる)の朱と口髭(くちひげ)の墨線が残る。本像は顔や体躯が豊かな膨らみをもつゆるやかな曲面で構成され衣文の彫りも浅く穏やかである。このような特徴は、京都・平等院鳳凰堂(びょうどういんほうおうどう)阿弥陀如来像に代表される定朝様式(じょうちょうようしき)の如来像に共通するもので、本像も典型的な平安時代後期の遺品のひとつと言えよう。
【ID Number1999P09644】参考文献:『福岡市博物館名品図録』

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