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平安中期、東北の魁・安倍貞任は、前九年の役で朝廷軍・八幡太郎義家と永承6年から12年にわたり争った。 衣川の柵で貞任の軍勢は敗れたが、貞任は北へ北へと逃れたという伝説がある。 追う義家に対し、貞任は小川原湖を通り、ついには北の果て「佐井」に至る。 義家の軍勢に追い攻められた貞任は、血散りが浜で体中に矢を受けるが、引き抜いては海に捨てながら逃げ続け、ついには鬼となる。そして鬼となった貞任は、もう死ぬこともなく、いつまでも北を守る鬼神となったのである。
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