ロック・クリスタル双耳瓶
16世紀 ヴェネチア
水晶、グラヴィール彫刻、カット技法、装着金具付
良質の水晶塊から、各部分を彫り出して、それぞれにグラヴィールやカットで花縄文、ロータス文等の文様を彫刻し、それぞれを金細工で接合した装飾瓶。ジョイント金具に小宝石(ルビー3個、エメラルド2個、ダイヤモンド3個)8個を装着。台脚部にも同様に7個装着。水晶は永遠性と富と権威の象徴として、しばしば王者の装飾品の素材として使われてきたが、とりわけ15~16世紀のヨーロッパでは、水晶製容器は王や高級貴族しか手にすることのできなかった富と権威の象徴であった。ヴェネチアとウィーンはその水晶細工の質の高さで知られた地でもあった。この作品は、ヴェネチアのルネサンス文化の黄金時代に作られた名作の一つである。