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太陽王ルイ14世時代のヴェルサイユ宮殿において、宮廷の首席画家モノワイエは、60点にも及ぶ「花の肖像画」を描き、その作品が宮殿中を飾ったといわれる。彼は17世紀フランスにあって最も活躍をした「花の画家」であった。
当時大きな影響力をもっていた宮廷画家シャルル・ルブランの援助と友情もあって、モノワイエはその豊かな才能と意欲的な創作力を存分に発揮した。ヴェルサイユ以外にもヴァンセンヌ、トリアノン、マルリーなど各地の王宮の装飾に従事し、1678年には英国に渡り、そこでも有名になった。やがてメアリー女王にも用いられるようになり、モノワイエの絵はウィンザー城、ケンジントン、ハンプトン・コートでも見られるようになったという。
このように両国の王や貴族たちの人気を集めた彼の作品は、広大な宮殿や貴族の邸宅を装飾するための「花の絵画」の一様式として発展した。その作風はフランドルやイタリアの装飾性豊かなバロック風に加えて、フランスらしい軽快さと洗練されたセンスの良さを感じさせる優雅さを持っている。
本作で彼は花の季節にはこだわらず、本来ならば同時期に咲くことのない異なる四季の花々をひとつの画面上に集めて描いている。花束は偶然に一緒になったかのように自然に見えるが、画家は全体の調和を保つことに細心の注意を払って花の一輪一輪を丁寧に配置していることが分かる。ここでは白の薔薇、ピンクの牡丹やカーネーション、黄色の百合、赤のアマリリス、薄紫のライラックなどが端正かつ色彩感豊かに描写されている。
完璧なまでに緻密な作業と構想によって描き出された本作は、伝記作家ダルジャンヴィルがモノワイエの絵画について書いた次のような賛辞「これらの花々に欠けているものといえば、かぐわしい香りだけである」という表現こそ相応しいといえよう。

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