- やちむん - 琉球王朝時代から連綿と続く沖縄の焼物

歴史1
沖縄の伝統的な焼物は無釉焼き締めの「荒焼(あらやち)」と施釉装飾された「上焼(じょうやち)」に分かれます。荒焼には水甕、酒甕などの大型容器、上焼は食器、茶器、花器などがあります。
1682年、琉球王朝の首里王府は現沖縄市の知花、首里の宝口、そして那覇の涌田などに散在していた窯場を現在の那覇市壺屋に統合します。第二次世界大戦で那覇の街は灰燼に帰しますが壺屋は大きな被害を免れ、戦後早々に操業を始めます。しかし、本土復帰の1972年頃より市街地化が進んだ壺屋地域では煙害など公害を理由に登り窯の規制を受けるようになります。壺屋の陶工たちはガス窯などに転換する者、登り窯の築ける郊外に移る者など新たな道を模索していきます。後に琉球陶器における国の重要無形文化財保持者(人間国宝)になる金城次郎氏もその一人で本島中部読谷村に登り窯を築き移り住みます。読谷村による基地の跡地利用のための「やちむんの里」計画の後押しもあり、以後村内の窯の数は増え続けることになります。そして読谷村は壺屋と並ぶ沖縄の代表的な焼物生産地となりました。
古の壺屋風景
壺屋は1974年に東ヌ窯の操業が終了するまで登り窯の煙がたなびく街で、琉球王朝時代から大きく変らぬ窯場風景が其処此処でみられました。
土をつくる
陶土に適した赤土は主に本島中北部の読谷村、恩納村、名護市周辺で採掘されます。白化粧などに適した白土は恩納村周辺で採掘されるものが良質と言われています。琉球王朝時代には船で那覇港まで運ばれたといいます。
菊揉み
轆轤を引く前に満遍なく陶土を揉む作業を菊揉みといいます。作業中に菊の花びらのような模様が浮かぶことが菊揉みと言われる所以です。陶土に含まれている空気を抜き、硬さのバランスを整える重要な作業です。
轆轤引き
左回転の轆轤で成形します。本土の轆轤は通常右回転の轆轤を使うのでその点が大きく違います。
乾燥
沖縄の伝統的な焼物は釉薬を掛ける前に素焼きを行わず自然乾燥させます。 乾燥にかかる時間は天候、湿度などに左右されますが、割れ、ヒビなどが入らないよう屋外、室内と場所を変えながら充分乾燥させていきます。
施釉
化粧掛けとは白土で作った泥を器全体に掛けること、また施釉とは釉薬を器に掛ける作業です。 赤土の素地の上に化粧掛けを施すことにより施釉や絵付けされた釉薬の色を際立たせます。 やちむんの釉薬には透明釉、鉄釉、コバルト釉、灰釉など一般的なものの他、緑釉と鉄釉を混ぜ合わせる琉球呉須、オーグスヤと呼ばれるガジュマルの木灰に真鍮を合わせてつくる緑釉などがあります。絵付けには透明釉以外の釉薬を使用します。
窯焚き1
登り窯の場合、最初に最下部の焚き口に薪を積み点火します。この作業は窯を暖め湿気を抜く役目を果たします。以後、それぞれの房の左右両側から薪を投入し上部に向かって一房ずつ順番に焚いていきます。読谷山焼北窯の場合、13連房の登り窯を焚きあげるのに約72時間を費やします。基本的に夕方から焚きはじめ4日目のお昼前後に終わります。
窯焚き2
焼成中に釉薬の溶け具合、発色の調子などを確認するには「色見壷」と呼ばれるテスト用の小壺を使います。一つの房に5〜6個入れておき、順に取り出しながら焼成具合を見守ります。経験に基づく直感が重要な作業です。 窯焚きを終えるタイミングの最終判断もこの色見壷で行います。
沖縄の陶器 濱田庄司
柳宗悦らと共に民藝運動に深く関わった陶芸家、濱田庄司は沖縄を愛し毎年のように壺屋に滞在し作陶しました。1972年に琉球電信電話公社より上梓した「沖縄の陶器」は濱田庄司が選んだ琉球王朝時代より現代までの優品を網羅しています。沖縄の焼物を深く知るための優れた一冊といえましょう。
読谷山焼北窯
本島中部、読谷村の「やちむんの里」に1992年開窯しました。4名の親方がそれぞれ独立した工房を持つ共同主宰窯で、13連房の登り窯には年間5回火が入ります。日本全国から集まる弟子たちと共に土づくり、釉薬の調合から焼成までの全てを自分たちで賄います。
那覇市立壺屋焼物博物館
壺屋やちむん通りの入口に位置し、壺屋焼を中心に沖縄の焼物文化を幅広く紹介しています。 常設展示の他、企画展も精力的に開催されています。
京都女子大学 生活デザイン研究所
提供: ストーリー

【取材協力】
・読谷山焼北窯 松田米司工房
那覇市立壺屋焼物博物館

【資料提供】
那覇市立壺屋焼物博物館
ATMK
・山田實

【監修・テキスト】
四釜尚人

【写真】
・村林千賀子
川瀬美香
・山田實
四釜尚人

【英語サイト翻訳】
・エディー・チャン

【サイト編集・制作】
・植山笑子(京都女子大学

【プロジェクト・ディレクター】
・前﨑信也 (京都女子大学
・山本真紗子(立命館大学)

提供: 全展示アイテム
ストーリーによっては独立した第三者が作成した場合があり、必ずしも下記のコンテンツ提供機関の見解を表すものではありません。
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