Yoshikazu Yamagata: writtenafterwards

日本服飾文化振興財団

装う事のいとおしさを伝え、流行の成り立ちや本質を伝えること。創造性を持って“今”を表現していく事。そして心に届ける事を。

writtenafterwardsとは?
2000年代以降、インターネットの進歩によって、世界のファッションシーンはダイナミックに変動し続けている。特に、作り手にとっては、消費者が「いま、感じたこと」や「いま、欲しいと思っている物や事」を捉え易くなった。そして、それらを分かり易いシルエットやプリントに落とし込む事によって、「いま」に最適化した「造形としてファッション」を生み出す事が容易になった。また、作り手側がコントロールして来た「ブランドの顔」は、顧客自身がブランドの服を纏いながら行なう情報発信によって、作り手と顧客の双方から自然現象のように生成しつつある。SNSのタグなどに集積される顧客の群像は、ブランドが生み出した小さな部族として解釈しても良いだろう。しかしながら、それら情報を司る環境の変化により、元来あるはずの「なぜ自分が作る必要があるのか」といった視点が見えにくくなっているのも事実である。そんな中、その根拠、更には自分も含めた人間の本質と向き合う視点を持つ作り手として山縣良和の名前が挙げられるだろう。デザイナーの山縣は、2005年、セントラル・セント・マーチンズを卒業。在学中、ジョン・ガリアーノのデザインアシスタントを務めた後に帰国。2007年に「装う事のいとおしさを伝え、流行の成り立ちや本質を伝えること。創造性を持って“今”を表現していく事。そして心に届ける事を。」をブランドコンセプトとしてwrittenafterwardsを設立した。
山縣良和
デザイナーの山縣は、2005年、セントラル・セント・マーチンズを卒業。在学中、ジョン・ガリアーノのデザインアシスタントを務めた後に帰国。2007年に「装う事のいとおしさを伝え、流行の成り立ちや本質を伝えること。創造性を持って“今”を表現していく事。そして心に届ける事を。」をブランドコンセプトとしてwrittenafterwardsを設立した。

山縣が考える「現象としてのファッション」

山縣が本質的な視点を有している事は、彼の過去の作品から読み解けるだろう。卒業コレクションは、そもそも服を着ていない「裸の王様」をテーマにした『THE EVERYONE'S NEW CLOTHES』、大学や美大から生み出された所謂、「ゴミ」を素材として用いた『4TH COLLECTION GRADUATE FASHION SHOW -0 POINTS-』、もし神様がいたら、ファストファッションが加速する現状に対してどのようなショーをするだろうと考え、ショーの直前に50Mの反ものをくるくると巻き付け、究極のファストファッションを目指した『5TH COLLECTION THE FASHION SHOW OF THE GODS -神々のファッションショー- 』など、一般的にイメージされる「洋服」では捉えきれない、社会と人とが衣服を介す事で生じる「現象としてのファッション」を描き続けている。

ここのがっこう

さらに山縣は、自身のブランドに留まる事無く、ファッションの在り方を更新しようとする。2008年より、ファッション表現の実験、及び学びの場でもある「ここのがっこう」を開講、これまで卒業した生徒は約500名に及び、卒業後も様々な分野で活躍している。

「ファッションの伝道師」としての活動

また、渋谷パルコミュージアムにて、彼にまつわるブランドを中心に、生身のモデルやマネキンを織り交ぜながら、展示内容を毎日に変化させた「絶命展」「絶・絶命展」をプロデュースするなど、ファッションとアートにおける新しい領域を拡げ続けている。2015年には、LVMH PRIZE SHORT LINSTに日本人として初めてノミネートされるなど国内外で高く評価されている。山縣は、ファッションデザインを衣服のデザインと捉えるのではなく、「人間の様相、流行のデザイン」と捉え、教育、社会、文化、環境的観点を持ったコミュニケーションツールとしてファッションの役割を提案している。そして、日本人としての自分に刻み込まれた個人史を深く潜る事から、世界へ向けて壮大なスケールの「ファッション」を描き続ける。

新しい生き方や人の有り様、装う事のいとおしさ、をあらゆる方法で伝えようとするその姿は、「ファッションの伝道師」といっても過言ではないだろう。サンプリングの達人がもてはやされる時代において、そのような大局的なヴィジョンはますます重要になるのではないだろうか。

ルーツ

山縣のルーツとして、彼が幼少期過ごした鳥取があげられる。鳥取砂丘で有名な鳥取県は、日本の中で人口、市の数共に最も少ない県でもある。中国地方の日本海側、いわゆる山陰地方の東側を占める。山陰という言葉が示す通り、雲が溜まりがちで、西日本有数の豪雪地帯としても有名である。山縣は、この風土を天候が悪く住民達も引きこもりがちで、ネガティブなイメージがあると述べる。しかしながら、そのような風土がもたらす精神により生み出された、日本の妖怪漫画の第一人者の水木しげる、日常とファンタジーの境目を切り取った写真家、植田正治から山縣自身も多大なインスピレーションを得ている。

「THE SEVEN GODS」
The story is written by Yoshikazu Yamagata.

「THE SEVEN GODS」プロジェクトの発足

2011年3月11日に東日本大震災がありました。この震災がきっかけとなり、日本文化の歴史、災害の歴史、原発事故をもたらした経済的など何重にも折り重なった問題と向き合いながらファッションの歴史をもう一度描こうと思い、スタートしたのが「THE SEVEN GODS」プロジェクトです。

それでは、この物語を始めたいと思います。

その昔、アダムはエデンという場所で、沢山の動物達に囲まれ仲良く暮らしていました。エデン内部には、動物達に「絶対に中をのぞかないでくれ」と言われている秘密の場所、通称「ホワイトハウス」があります。しかし、蛇にそそのかされたアダムは、その約束を破り、中を覗いてしまいます。

なんと、そこでは、キジが動物達と力をあわせて布製の貨幣「ゼロ リトゥン」を作っていました。

約束を破ってしまったアダムはエデンを追放されますが、その渦中太ったイブと出会います。2人の間には沢山の子供が生まれ、アダムとイブ、そしてその子供達は洞窟でせっせとお金を作り始めました。

そんなある日、アダムは洞窟の壁から漏れた光を頼りに、どこかへ通じる穴を発見してしまいました。

もちろん、子供達もその穴を覗き込みます。

子供達の目には、ファッションの幻想が映り込みます。そこで自分たちが裸だと言う事に気付き、恥ずかしさを感じた結果、アダムはファッションを求める旅に出ます。

旅の最中、悪い子供たちにいじめられている亀に遭遇します。

子供達を追い払ったお礼に、アダムは竜宮城に連れて行って貰う事ができました。

帰りの遅いアダムを心配して、子供達は亀に乗って探しに行きます。

子供達はアダムを見つけはするものの、ちょうど乙姫様と浮気をしている現場を目撃してしまします。

子供達の後を追っていたイブもアダムのこの浮気現場を目撃、怒りのあまり赤鬼になってしまいました。

長い旅が終わり、孤独になったアダムはいつしかファッションデザイナーを目指すようになりました。

来る日も来る日も、ゴミ掃除のバイトをしながら、頑張って服った服は、誰にも認められる事はありませんでしたが、なんとか諦めず製作を続けました。

日々の過酷な製作によって、アダムは生死を彷徨いますが、なんとかフリーマーケットをテーマにしたコレクションを完成させます。アダムがバイトをしながら日々収集していたガラクタを用いた全十八体のコレクション「Adam Urashima」を発表します。

Adam Urashima Collection

アダムのお葬式

全部の服を出し切った後、「CLOTHES FROM CHAOS」という言葉を残してアダムは死んでしまいます。その後、なんとも胡散臭いお葬式が行われ、天使がアダムを連れ去って行ってしまいます。

THE SEVEN GODS

すると突然「七服神」という、七柱の服の神様がやって来ました。

ショーのクライマックスでは、死んでしまったはずのアダムが、トレンディなトレーナーと短パンを身に纏い、金斗雲に乗って現れます。

その後、アダムはファッションの神様として祀られるようになりました。

一方、地上では、天国でフリーマーケットをやっているという言い伝えが残されるようになりました。 FIN

Behind the scene
「僕自身、コレクションを作る際に厳密な答えを容易している訳ではありません。ブランド自体、有象無象で複数の原理から成っています。スタッフがそれぞれに合った特殊な作業をするので色々な偶然が入り込んでいます。考えている事を具現化しようという事より、今この場にある物を使ってどう答えを出すかという世界は、規格が明確に決められたブランドには無い特殊な空気なのかもしれません。」

七福神

「七服神」は、もし日本に服の神様がいたらどんな格好をしているだろうかと考えて作りました。ベースになったのは、あらゆる縁起のいいものを合体させて作られた日本の熊手の文化です。日本では、地震、津波を始め、ありとあらゆるところから災害が起こるので360度祈願するしかない所からこの発想が生まれたのだと思います。」

ゼロ紙幣

「アダムが着ているトレーナーは、ゼロ紙幣を実際に布で作る所から始めました。紙幣の幣という字は「ぬさ」と読み、布という意味を含み、布がお金として用いられていた名残があります。現在では、以前ほど布に対して価値があるという見方はされていないので、当時のような価値のある布を作ろうと思い、日本で最高レベルの機屋さんと一緒に一から開発して服に仕立てています。」

「一ドル札にはフリーメイソンのメッセージが隠されている」といった都市伝説がありますが、ゼロ紙幣の中にも幾つかのメッセージが「free maison」によって隠されているといわれます。

神の手のひらのところでは、川久保玲が寝ていたり、

John Gallianoや

Martin Margielaが2匹のクジラのお腹の中に座っていたかと思えば

Alexander McQUEENが自殺しようとしていたり。

その他、「見ざる、言わざる、聞かざる」の三匹のサルが隠れていたり、ネコに小判が与えられていたり、

その他、「見ざる、言わざる、聞かざる」の三匹のサルが隠れていたり、ネコに小判が与えられていたり、ツルがお金をくわえて空を飛んでいたり、造幣局では、動物たちが貨幣を織っています。その上に「CREATION FROM ZERO」という川久保玲の名言も描かれています。

多くの日本の服飾学生が通い詰める日暮里繊維街の有名な生地屋、TOMATOのビニール袋でMaison Martin Margielaへのオマージュを込めたルック。

山縣が以前、働いていたJohn Gallianoのアトリエのツナギをそのまま出したルック。

このルックは、エヴァンゲリオンのパチンコ台のパーツが付いています。ショーの最後に掛かる曲は、『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』の挿入歌に使われていた「Komm, süsser Tod~甘き死よ、来たれ」。

フィナーレ

ショーのフィナーレに現れたモデルが纏った衣服は、虎が仕留められたようなデザインになっており、頭には『ドラゴンボール』の神龍がくっついたルックが登場します。アダムは神頼みをしていて、7つ集めれば願いを叶えてくれると伝えられている、神龍をデザインに取り入れていました。

提供: ストーリー

writtenafterwards

Text by Shingo Isoyama

Coordination by GAS AS INTERFACE Co., LTD.

提供: 全展示アイテム
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