四国を代表する陶磁器産地

砥部焼の里
砥部焼は主に愛媛県伊予郡砥部町でつくられる焼物の総称です。この地域では、8世紀に須恵器が焼かれて以来、さまざまな陶磁器が生産されてきました。江戸時代中ごろまでには、山に囲まれていることから傾斜地に登り窯が築かれ、陶磁器の産地として知られるようになったとされています。中央を流れる砥部川とその支流は、製品の運搬や、原料の陶石を粉砕するための水車の動力として利用されました。
砥部焼のはじまり
「砥部焼」という名前のもっとも古い記録は1740年に書かれた『大洲秘録』という書物です。ここには、砥部で陶器の茶碗や鉢がつくられていたとあり、窯跡からは九州の唐津焼に似た陶器が出土しています。
磁器のはじまり
安永6年(1776年)、砥部で初めて磁器の焼成に成功したという記録が残っています。そして、それを裏付けるかのように「安永九」と年号が入った磁器の破片が窯跡から出土しています。
古砥部
江戸時代に生産された陶磁器を「古砥部」と呼びます。この時代の染付磁器は藍色の発色がよく、筆づかいにも優れた名品が少なくありません。
江戸から明治
陶器から始まった砥部焼のやきものは、やがて染付磁器が主流になり、鮮やかな色絵を施した作品も生産されるようになりました。明治時代になると、さらに多くの新しい技術が導入され、多様な作品が生まれます。
伊予ボール
大正時代に中国や台湾、東南アジア向けの販路が開けると、型紙で文様をほどこした染付碗「伊予ボール」が大量に輸出されるようになります。
原料は地元産
砥部焼の原料となる陶石は障子山のふもとから採掘されています。
土をつくる
採掘された陶石は、昔ながらの機械で粉砕され磁器用の粘土になります。
梅山窯
明治15年(1882)、梅野政五郎が開窯して以来、砥部焼を代表する窯としてその伝統を受け継いでいます。清楚な白磁の暖かい肌に融けこんだ呉須や色絵の実用食器、額皿、花瓶など各種の製品を制作しています。
轆轤の移り変わり
砥部焼ではかつては足で蹴って回す蹴轆轤が使われていましたが、昭和25年(1950)頃から電動轆轤に変わりました。石膏型を利用する機械轆轤は同じ形の製品を多く成形することに適しており、量産目的に使用されています。
削り
ひとつひとつ手作業で形を削り出します。
唐草文
砥部焼を代表する伝統的文様のひとつが唐草文です。同じように見えますが、工房によって少しずつデザインが異なるのが魅力です。
釉薬をかける
薄茶色の釉薬で全面を覆います。焼成すると透明になり青色の文様が浮かび上がります。
焼成
絵付けの前に素焼き(900-950度)をし、釉薬をかけた後に本焼(1300度)をします。かつては登り窯で焼成していましたが、現在はガス窯が主流です。
登り窯
梅山窯には6室ある登り窯が現存しており、当時の面影を味わうことができます。
手仕事への回帰
昭和28年、民藝運動でしられる柳宗悦、バーナード・リーチ、濱田庄司が砥部を訪れました。近代以降、機械化が進んでいた砥部で手仕事の良さを説きます。
デザイン改革
昭和31年(1956)に陶芸家の富本憲吉(1886-1963: 初代重要無形文化財保持者・文化勲章受賞)も訪れ、砥部焼の近代的デザインを後押しします。富本の紹介で藤本能道(1919-1992: 重要無形文化財保持者)も砥部で指導しました。それに刺激され、若手陶工を中心に手作りの良さを生かすべく、研究会や展示会を開催、ロクロや絵付け等の技法向上に取り組みました。現在の砥部を代表する文様や形の多くはこの頃うまれました。
現代の砥部焼
白磁・染付・青磁・色絵と現代の砥部では多種多様な作品が生み出されています。個人作家から大工場まで大小合わせて100近い事業者が新しい砥部焼を作り続けているのです。
砥部焼伝統産業会館
砥部焼の歴史的資料や作品、優れた現代の作品を展示しています。2階では、個展やグループ展など多彩な催しを行っています。
砥部焼陶芸館
砥部焼の窯元が運営する直営店です。1階では最新の砥部焼を販売、2階では絵付・手びねり・ロクロなどの体験ができます。
京都女子大学 生活デザイン研究所
提供: ストーリー

【監修】
砥部焼陶芸館

【協力】
砥部焼伝統産業会館
梅山窯
龍泉窯
・佐川陶磁器原料

【テキスト・撮影・サイト編集・制作】
・前崎信也(京都女子大学 准教授

【英語サイト翻訳&監修】
・ローラ・ミューラー

【サイト編集・作成】
・笠井貴江(京都女子大学現代社会学科

【プロジェクト・ディレクター】
・前﨑信也(京都女子大学 准教授
・山本真紗子(立命館大学)

提供: 全展示アイテム
ストーリーによっては独立した第三者が作成した場合があり、必ずしも下記のコンテンツ提供機関の見解を表すものではありません。
Google で翻訳
ホーム
トピック
現在地周辺
プロフィール