金・銀・銅・錫・プラチナの箔を線状や三角・四角などに截って貼りながら模様を描く装飾技法

截金とは
截金は、仏像・仏画などで仏様や菩薩様が身に着ける着衣や甲冑などの織物や金工、革の文様を(写す)ことから始まりました。そして、仏教美術における仏様や仏様の素晴らしさを称賛して飾り立てるという意味の「荘厳」を出すための技として発展。今日では日本でのみ継承されています。現在は仏教美術の枠を超え、工芸の一分野としても知られています。
截金の歴史
飛鳥時代に、仏像彫刻や仏画とともに朝鮮半島より日本に伝わったといわれています。大陸文化の影響を受けていた截金は、平安~鎌倉時代の仏像彫刻の発展と共に最盛期を迎え、日本独特の技法を開花させ、装飾美の極致ともいうべき世界を展開します。しかし、仏教の大衆化に伴って、簡単で便利な金泥の使用により、江戸時代以降、截金の技術は衰退していきました。第二次世界大戦以降、わずかに残った截金師たちによって截金は工芸に取り組まれます。茶道具や木箱といった工芸品の装飾に用いられるようになり、徐々に復興していきます。
截金の工程
1)金箔を用意する―くしゃみ厳禁!
截金に用いる金箔の1枚の厚さは一万分の一ミリ(10μm)で純金(24金)にわずかに銀や銅が混ぜられます。その比率は様々で「荘厳さ」を出すために金の割合の高いものがよく使われます。金箔の大きさは様々ですが、三寸六分角(109mm角)が主流です。一枚ずつ和紙(雁皮紙)に載せられた金箔は息で吹き飛ぶほどの薄さ。これを慎重に竹挟(竹のピンセット)で取り出します。
2)焼合わせ―截金独特の工程
箔に厚みと強度、こしを持たせるために焼合わせを行います。まず、1000℃近くの炭の上で2枚の箔を焼合わせたものを2組用意し、その2組をさらに焼合わせることで(箔を2枚焼き合わせさらに両面に金箔を一枚ずつ合わせて焼き合わせることで)計4枚の箔をひとつにします。この時に使用する木炭は節や傷のない均一な太さの炭を用います。また、現在はアイロンを用いることもあります。
3)裁断―髪の毛よりも細い一本を
合わせ箔ができると、次に裁断作業に入ります。裁断には竹刀を用います。竹は5~10年ほど乾燥させた篠竹(太さ20mm程度)を割って用います。その竹の皮の部分を刃先とするよう小刀等で削り、指先で撫でて確認しながら調整していきます。竹には油があり静電気もおこらないので、金箔がくっつかず、思い通りの幅に切ることができます。
箔はとても薄く、滑りやすいため、切る作業は鹿革を張った台の上で行います。またその表面には、滑り止めや切りやすさを考えてタルクという石を砕いてできた粉を蒔きます。箔の太さはすべて目分量で、人間の髪の毛より細く切る場合もあります。こうして、貼るまえに必要な箔を全て切りそろえます。
4)箔貼-下書きをせず感性で描く
箔を切り終えると、いよいよ貼る作業が始まります。仏像などに箔を接着する際にふのり(海藻由来の糊)と膠(動物の皮由来の糊)を混ぜたものを使用します。
接着の作業では両手で筆を持ちます。左手の取り筆には、穂先を湿らせて細く截られた金箔を巻き付けます。右手の截金筆にはふのりと膠を溶いた水(糊又は接着剤)を含ませ、デザインに従って左右の筆を操りながら金箔を貼っていきます。下書きせず、少しずつずらしながら感覚で描いていくことで仏像の衣の立体感を表現します。
截金の美
日本の歴史的な仏像には必ずと言っていいほど見られる截金。仏像の纏う衣の脇や裾、台座や光背などに極めて緻密な装飾が重ねられています。そして、見る角度によって表情を変えるこの技法が全体の美しさを際立たせているのです。

戦後は工芸の一分野としても截金は発展してきました。複雑な文様をほどこした茶入や香合、名刺入れなども制作されています。

戦後は工芸の一分野としても截金は発展してきました。複雑な文様をほどこした茶入や香合、名刺入れなども制作されています。

京都伝統産業ふれあい館
提供: ストーリー

【協力】
・大塚華仙

【サイト編集・制作】
・久保薫( 京都女子大学生活造形学科
・植山笑子( 京都女子大学生活造形学科
・永友花奈( 京都女子大学生活造形学科

【動画】
・高山謙吾(A-PROJECTS

【画像】
・桑島薫

【プロジェクト・ディレクター】
・前﨑信也(京都女子大学

提供: 全展示アイテム
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