因州和紙 青谷地区

鳥取県

修復紙から壁紙まで多様な和紙をつくる産地

青谷町 歴史
青谷町は日本海に面し、青谷上寺地遺跡があるように、古代から良港があり、栄えた一帯でした。後に日置川流域で、和紙生産が盛んになりました。因州和紙の起源は定かではありませんが、8世紀半ば奈良時代の正倉院文書の中に因幡の国印が押されたものが発見され、正倉院に保存されています。また、平安時代の「延喜式(えんぎしき)」(905-927年編纂)に因幡の国から朝廷に紙が献上されたという記録があります。これらのことから、因州和紙は1200年を越える歴史があるといわれています。
歴史 
因州和紙の生産は年を追って盛んになり、1600年頃(慶長年間)には鹿野周辺を治めた領主、亀井滋矩(かめいこれのり 1557~1612)候は生産振興するため、因州和紙の原材料である楮(こうぞ)、雁皮(がんぴ)を亀井候文書に「切ってはならない木」と記し、保護しました。江戸時代には、因州和紙は藩の御用紙としても、庶民の使う紙としても盛んに生産され、紙座で取引されました。
房安喜八 万国博受賞(パリ)
明治時代に入ると、和紙原料の三椏栽培に力が注がれるようになり、近代的な紙の漂白技術の導入など合理的な生産方式により、工場数は江戸時代の約500から、1300以上に増加して、その勢いは大正末期まで続きます。特に、房安喜八(ふさやすきはち1852~1930)は、先進技術を積極的に普及させたり、パリ万国博で受賞するなど、因州和紙の発展に尽くしました。
昭和初期の和紙見本帳 
昭和2年(1927年)、鳥取県工業試験場(現・鳥取県産業技術センター)が製作した「因幡紙見本帳」。数百年前の和紙を再現した模造古代紙や試作品、当時製作されていた和紙を集めたもので、明治時代から当時までの生産量など詳しい統計や古文書写真など歴史資料も掲載しています。和紙生産が重要な地場産業として確立していました。
現在の因州和紙
戦後、それまでの主力製品であった事務用薄葉紙、障子紙等は事務機の台頭や生活様式の激変で壊滅的な打撃を被りました。しかし、因州和紙は画仙紙等の書道用紙と工芸紙、染色紙に力を注ぎ、多くの和紙愛好家や書道家に愛用されています。
因州和紙の染紙
カラフルで様々な種類の染紙は、ラッピングやちぎり絵などいろいろな用途に使われます。
因州和紙のアクセサリー
因州和紙で作ったアクセサリーの新商品も出てきました。和紙の特徴を活かした自由なデザインで、軽くて、丈夫です。
進化する因州和紙
それぞれの時代のニーズに対応するために技術革新を重ね、立体形状の紙や機能和紙の開発等、新製品の開発に更に力を注いでいます。因州和紙は、このように時代に合わせ、常に進化してきました。
紙祖
長い歴史の中で、紙業に携わった先人たちの偉業と、その伝統と繁栄を願い、「因幡紙元祖碑」を建立し、毎年5月に紙まつりを行っています。
材料
三椏(みつまた)、楮(こうぞ)、雁皮(がんぴ)など樹木の皮から、和紙を漉けるような状態にまで、繊維をできるだけ傷めないように加工していきます。皮を剥きやすくするために蒸し、外皮の最も外側にある「黒皮」を剥きます。
表の皮を取り除く
「甘皮」についている赤い鬼皮(黒皮のむき残し)を丁寧に取り除きます。踏んで鬼皮を落とし、楮の繊維を柔らかくする「かごふみ」を行い、撫でるように刃物で節(ふし)やキズを取り除く「かごなで」の作業をします。和紙の材料として「白皮」だけを使うことが多いのですが、因州では「白皮」と緑っぽい「甘皮」の両方を使うのが特徴のひとつです。
洗い、煮熟、打解・叩解
皮についた不要なものを水で洗い流し、材料を干して、乾燥します。ソーダ灰などを入れて煮て、ほぼ繊維だけにします。木灰や石灰も使うこともあります。さらに、残っている小さな木の皮などを丁寧に取り除き、原料を棒で叩き、繊維をより細くほぐしていきます。
配合
漉き舟(すきふね)に原料繊維と水を入れ、繊維をほぐすように攪拌します。さらに、サナ(粘材)を加えて、かき混ぜ、繊維が均一になるようにします。サナは因州の呼び名で、「トロロアオイ」という植物の根から取った粘性のある透明な液体のことです。
抄紙(紙漉き)
水に溶かした繊維を簀桁(すげた)ですくって枷(かせ)を縦横に揺らし、一枚一枚漉いていきます。
床積み、脱水、乾燥、仕上げ
漉き終わって、水を含んだ柔らかい紙を積み重ねていく作業を繰り返します。漉いた紙は水気を多く含んでいるので、脱水・乾燥した後、裁断し、商品になります。
機械漉き
伝統的な手漉きに対して、大量生産するために機械漉きが導入されています。
機械漉きの抄紙 (紙漉き)
和紙を漉く工程では、金簀(ベルトコンベヤーのシート)に水で溶かした繊維が流し込まれ、徐々に水分が取り除かれながら、均一な繊維の層ができあがります。
機械漉きの乾燥
巨大なドラム型アイロンに送られ、乾燥します。乾燥工程が終わり、巻き取ります。ロール状になった和紙ができあがります。
裁断
ロールになった和紙を裁断し、商品になります。
定番商品
楮・三椏・雁皮をはじめ、藁・茅・竹・木材パルプなどを巧みに配合することにより、冴えた墨色を現し、墨の濃淡・滲み・かすれなど表現力に優れた書道用紙を生産しています。また、種類が豊富で、様々な紙質に対応できることから、水墨画・日本画など絵画用の紙としても幅広く使われています。
照明商品
楮の繊維を活かした照明。和紙ならではの柔らかい光が空間を彩ります。レストランやショップなど商業施設から、個人住宅まで使われています。
建材商品
強度がある楮紙をベースに様々なデザインや彩色加工を施した壁紙や襖紙。上質なインテリアを演出します。高級旅館やショップから公共施設まで使われています。
施設紹介 あおや和紙工房
青谷町にある「あおや和紙工房」は、因州和紙の伝承のための製作工房と文化紹介のための展示室を備えた鳥取市の公的施設です。毎年開催される「あかり展」をはじめ、様々な企画展が開催され、因州和紙の多様な使い方を紹介しています。特に体験メニューは多彩で、自分で漉いた和紙を使ってオリジナルの素敵なランプシェードをお手軽な価格で作ることができます。
鳥取県
提供: ストーリー

【資料提供】
鳥取県
鳥取市

【協力】
・鳥取県因州和紙協同組合
・ 新屋製紙有限会社
長谷川憲人製紙工場
大因州製紙協業組合 & あおや和紙工房

【監修】
鳥取県
京都女子大学 生活デザイン研究所

【テキスト】
鳥取県

【写真】
・前﨑信也(京都女子大学准教授)
・高山謙吾( A-PROJECTS

【映像】
・高山謙吾( A-PROJECTS

【翻訳】
・ エディー・チャン

【翻訳監修】
・ ローラ・ミューラー

【サイト編集・制作】
・田岡佑梨(京都女子大学 生活デザイン研究所
・渡邊碧(京都女子大学 生活デザイン研究所

【提供】
鳥取県

提供: 全展示アイテム
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