甲州水晶貴石細工とは
豊かな森林と水資源に恵まれた山梨県笛吹市で生み出される天然宝石を使った工芸です。主に水晶、ひすい、ジャスパー、黒曜石、めのうなどの貴石を使用します。作り出される製品は、仏像や動物、鳥類の形をした室内置物から、ネックレスや指輪、ブローチといった装飾品まで様々です。ガラスの倍以上の硬度をもつ水晶ゆっくりと時間をかけて加工します。

天然石を使用しているため、大きさや形が限られています。宝石の模様を活かしたデザインをして加工するため、生み出された製品は世界にひとつしかありません。

歴史
今から約千年前、景勝地「御岳昇仙峡」の奥地にある金峰山周辺から水晶の原石が発見されました。発見当時は、原石のまま置物として飾られていましたが、江戸時代になり加工を行うようになります。そして、今からおよそ200年前、京都から職人を迎えて鉄板の上に金剛砂をまいた水晶玉の手磨き方法を習得し、水晶細工は始まったのです。
明治9年、甲府市勧業所に「水晶加工部」が設置され、技術研究のために水晶加工の先進地である中国へ3名を派遣しました。この結果、明治後期には手摺による加工から、足踏み回転式へ改良され、さらに大正期になると、電力式へと進歩していきました。
明治時代には、帯留やかんざし、根付など装身具の需要が増えましたが、明治末期になると水晶資源は枯渇してしまいました。そのため、南米やアフリカ諸国から水晶やめのう、ダイヤモンドなどを輸入するようになります。長年受け継がれてきた加工技術を活かし、精密な美術工芸品や装身具を生産したことを評価されて、昭和52年に通商産業大臣指定(伝統工芸品)産業に認定されました。

原石を削り彫刻して磨く作業は気を抜くことは許されません。少しでも刃の当て方が違えば、原石は一瞬のうちに傷ついたり、砕けたりしてしまうからです。

絵付け
原石の姿を眺めながら、これから作る作品の絵をかきつけます。
切り込み
絵付けをした原石を、大まかに切り込んで形を出します。
欠き込み
作品の細部を小槌とたがねを使って削ります。気を付けなければならないことは、この時に欠きこみすぎないことです。
荒摺り
鉄コマと粒子の大きい研磨材を使い、粗く磨きます。
三番四番摺り
研磨材の粒子を細かくしていき、大小の鉄コマを使い作品の形をつくりあげていきます。
磨き上げ
木コマと研磨剤を使い、石肌を滑らかにします。最後に酸化クロム等の磨き粉で光沢を出して完成です。
作るものの大きさによって作業時間は異なります。1日に3個ほどつくれる物もあれば、大きい物は1個作るために3ヶ月もかかることもあります。ひとつずつの形が素材の意思によって異なり、大量生産することはできません。
戦後に輸出が急増し、製品の80%は海外向けという時代もありましたが、現在では国内向けに高度な技術を駆使した製品を産出しています。古い歴史と伝統を持った産業を保存するとともに発展させるため、技術の向上と、後継者の育成に取り組んでいます。
京都女子大学生活デザイン研究所
提供: ストーリー

【監修・資料提供】
山梨県水晶美術彫刻協同組合

【英語サイト翻訳】
まい子・ベア

【テキスト・サイト編集・作成】
・杉島 つばさ(京都女子大学生活造形学科

【プロジェクト・ディレクター】
・前﨑信也 (京都女子大学 准教授
・山本真紗子(立命館大学)

提供: 全展示アイテム
ストーリーによっては独立した第三者が作成した場合があり、必ずしも下記のコンテンツ提供機関の見解を表すものではありません。
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