半円の格子模様の「窓」
一本の竹を48〜64等分に割いて作る骨を、糸で編むことで生まれます。
歴史
千葉県南部の房州、特に現在の館山市・南房総市では、温暖な気候に恵まれ、細く節間の長い篠竹(女竹)が自生していました。その女竹を材として、明治時代からうちわの骨が制作されるようになります。うちわの骨は東京に送られて完成され、「江戸うちわ」として流通していました。しかし大正時代の関東大震災により、東京での加工が困難になると、うちわ問屋が館山市に移住。以後、完成までの全工程がこの地で行われるようになりました。女竹の幹をそのまま柄として用いるのが「房州うちわ」の特徴です。他に、日本の三大うちわとされる「京うちわ」では、差し込まれた木を柄とし、「丸亀うちわ」では、平たい柄が用いられています。房州では、竹の下から1/3ほどのところに節がくるように切り、節から上を64等分に割いてうちわの骨とし、節から下をそのまま柄として使います。うちわ一本ずつに手間をかけ、20以上の工程を経て完成します。

古くからの漁師町では働き盛りの男たちが漁に出た後、留守を守る女性たちが手内職としてうちわづくりを担いました。その数は1000人にも及び、房州うちわが夏の贈りものとして重宝され、昭和初期には年間800万本ほどを生産しました。

しかし生活習慣の変化によって、うちわは使われなくなり、現在の生産量はその1/10ほどに減少。2003年、国の伝統的工芸品に指定されました。

つくり方:竹選別
房州の野山に自生する篠竹(女竹)が材となります。とりわけ冬の寒い時期の、身の締まったものが切り出されます。

うちわには一定の太さが必要なため、一本の長い竹から取れるのは2〜3本に限られます。皮をむき、磨きます。

割竹

竹割台に竹を立て、下から1/3のところに節が来るよう切り揃えられた竹の節の上の部分を細かく割きます。

なたを用いて、中心から8分割→16分割→32分割と割いていき、最終的に64分割します。これが団扇の骨になります。

編竹

細かく割いた骨を糸で、一本ずつ交互に通しながら編んでいきます。

窓作り

骨を編んだ糸を弓の両端に結び、扇形に広げて骨組みを整えます。糸を引っ張って弓を反らせ、左右対称のきれいな曲線にして窓を作ります。

焼き

骨の捻れや曲がりを矯めるため、火で炙ります。

焼き

骨の捻れや曲がりを矯めるため、火で炙ります。

へらで骨の間隔を整えてから、空気が入らないよう裏側に白紙を貼ります。

断裁

骨の余分な部分を切り落とし、団扇の形にします。

へり付け

手漉きの和紙を細長く切って団扇の縁の部分に貼り付け、断裁の切り口を覆います。最後に、骨の筋が浮き出るよう、ローラーで押さえて完成。

現代の房州うちわ
伊勢型紙を用いたもの

現代の房州うちわ

現代の房州うちわ

現代の房州うちわ

現代の房州うちわ

京都女子大学 生活デザイン研究所
提供: ストーリー

資料提供&協力:館山市立博物館、宇山正男(うやま工房)、房州うちわ振興協議会
監修:大古幸枝(館山市立博物館
テキスト:坂井編集企画事務所
編集:坂井基樹(坂井編集企画事務所)
英語サイト翻訳:鴨志田恵
英語サイト監修:鴨志田恵
プロジェクト・ディレクター: 前﨑信也 (京都女子大学 准教授)

提供: 全展示アイテム
ストーリーによっては独立した第三者が作成した場合があり、必ずしも下記のコンテンツ提供機関の見解を表すものではありません。
Google で翻訳
ホーム
トピック
現在地周辺
プロフィール