日本最古の歴史と伝統を持つ先染めの絹織物

本場大島紬とは
本場大島紬は、長い歴史と伝統を誇る鹿児島県を代表する伝統的工芸品である織物です。大島紬の工程は、大きく分けて30数工程あり、図案に始まり、織り上がるまで半数近くかかります。1つ1つの工程に非常に複雑で高度な熟練した技術が要求されます。
本場大島紬の歴史
起源は1300年以前にさかのぼり、わが国においても最も長い歴史と伝統をもつ織物であるとされています。鹿児島では奈良朝時代以前から養蚕が行われ、手紡糸で紬が生産されました。
染色方法は天智天皇(661年)の時代から続く技術に基づいています。
本場大島紬の特徴
本場大島紬は絹糸を使用し、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)の細かい絣(かすり)糸で模様を表現します。明治半ばまでは絹糸を、芭蕉の糸を使い手括りして絣模様をつくっていました。明治40年頃になると、奄美大島出身の永江伊栄温氏が発明した締機(しめばた)による織締絣の方法が採用され始め、世界でも類をみない本場大島紬独特の精緻な絣模様ができるようになりました。
〈本場大島紬の製作工程〉 図案設計
糸1本1本に施される、絣模様のひとつひとつを方眼紙に表現します。染、織、絣技法などすべての工程を熟知していなければできない作業です。図案はこれから始まる綿密で根気を要する製造工程の指南書になります。
〈本場大島紬の製作工程〉 整経
絣用の糸を必要な長さと本数(12本~16本)に揃える工程です。
〈本場大島紬の製作工程〉 糊張り
整経して揃えた絣用の糸は、糊付けをし、乾燥させて固めます。
〈本場大島紬の製作工程〉 絣締め
図案に従い、糊張りした絹糸の絣模様となる部分に木綿糸を織りこんで筵状(むしろじょう)に仕上げます。これを絣筵(かすりむしろ)といいます。ここで木綿糸を織りこんだ部分の絹糸は防染(ぼうせん)され、次の染色の工程でも染まりません。
〈本場大島紬の製作工程〉 染色
織締された絣筵や地糸を染める工程です。大島紬には伝統技法によるシックな泥染から、藍染、やまももなどの植物染色、そして色調も多彩な合成染料といったさまざまな染色方法があります。
〈本場大島紬の製作工程〉 泥染
泥染は、古代から伝わる染色方法で、大変な手間と時間を要する技法です。まず、「テーチ木」とよばれる車輪梅の幹を細かくしたものを煮沸し、抽出した液に糸を繰り返し染めます。その後、泥で染めると、テーチ木に含まれるタンニン酸と、泥の鉄分が化学反応を起こし、大島紬独特の渋みのある黒色に染め上がります。
〈本場大島紬の製作工程〉 絣部分解き・目破り
締機(しめばた)で締め上げた絣筵の、絣模様となる部分を防染している木綿糸を専用の道具で切って露出させます。
〈本場大島紬の製作工程〉 すり込染・色差し
露出した絣部分に、図案に基づいて染料をすり込んで行きます。
〈本場大島紬の製作工程〉 絣全解
色差しを終えた絣筵の防染用の木綿糸をすべて取り除くことで、絣糸が出来上がります。
〈本場大島紬の製作工程〉 仕上糊貼り
絣模様を保護するために、経糸(たていと)を糊張りして天日乾燥します。
〈本場大島紬の製作工程〉 絣糸配列
経(たて)の絣糸を図案に合わせて順番通りに配列していきます。
〈本場大島紬の製作工程〉 板巻き
経の絣糸を経の地糸と共に、織機の幅に揃えながら、板に巻き込んで行きます。
〈製作工程〉 織り
経(たて)絣糸、経地糸、緯(よこ)絣糸、緯地糸それぞれの準備工程を終えたら、織機に掛けます。経の絣糸に、緯の絣糸を柄合わせしながらの作業ですが、絣の微妙なズレを針で1本1本手直ししながら織る、根気と熟練を要する作業です。
〈製作工程〉 検査
織り上がった大島紬は本場大島紬織物協同組合の検査場で厳正な検査を受けます。 合格、不合格の判定が旗印商標に明記されます。旗印商標は商品の品質を証明するもので、購入される消費者の方々との安心と信頼を高めています。
泥染大島紬
テーチ木(車輪梅)と泥土で染める大島紬独特の染織技法。光沢を抑えた渋みのある黒色と、しっかりとした着心地の良さ、漂う気品が多くのファンを魅了してきました。
泥藍大島紬
泥染と藍染を併用した染織法。深みと艶を増した黒色地に藍染絣の調和が魅力です。
藍大島紬
植物染料の琉球藍、たで藍などで染めた藍染の大島紬。「ジャパンブルー」とも呼ばれ、古くから親しまれています。
植物染大島紬
山野の植物で染色。天然染料ならではの微妙でやさしい色調が魅力です。
色大島紬
多彩な色調と、グラデーション。大島紬に無限の可能性を広げました。精緻な絣模様と色彩の妙が醸し出す本場大島紬の技の粋。
白大島紬
白、淡色地の大島紬。明るく、清潔で、モダン。ファッショナブルな感覚で装いのシーンが広がります。
京都女子大学 生活デザイン研究所
提供: ストーリー

【資料提供】
本場大島紬織物協同組合

【協力】
・公益社団法人鹿児島県特産品協会

【監修・テキスト】
本場大島紬織物協同組合

【英語サイト翻訳】
・黒崎 美曜・ベーテ

【英語サイト監修】
・メリッサ・リンネ(京都国立博物館

【サイト編集・制作】
・三田華奈子( 京都女子大学文学部史学科

【画像処理】
・有賀優( 京都女子大学生活造形学科

【プロジェクト・ディレクター】
・前﨑信也 (京都女子大学 准教授
・山本真紗子(立命館大学)

提供: 全展示アイテム
ストーリーによっては独立した第三者が作成した場合があり、必ずしも下記のコンテンツ提供機関の見解を表すものではありません。
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