紀州の棕櫚(しゅろ)をつかった手仕事でつくられる束子(たわし)

紀州の棕櫚(しゅろ)
棕櫚とはヤシ科の常緑高木。日本では鑑賞用として栽培されてきました。他にも材として床柱や欄干・撞木などに使用し、葉を砕いて茶にして実は薬にするなど、日本人の生活に密着した植物です。皮の繊維からは綱や敷物、箒、そして束子(たわし)がつくられました。紀州では古くから棕櫚を利用した製品の製造が盛んな土地でした。
紀州の棕櫚
生活の様々な場面で使用されてきた棕櫚ですが、昭和40年代ごろから次第に需要が減少。さらに中国産の棕櫚の輸入増加や国産の棕櫚の減少、職人の高齢化などにより、国産棕櫚の製品づくりは限られたものになっていきました。棕櫚束子の製造は、そうした棕櫚の文化や産業を伝える取り組みの一つでもあります。
束子のつくりかた
棕櫚の木から樹皮をはぎ、バチと呼ばれる部分を取ります。皮の部位により、できる繊維の性質が違うため、束子に適した部位のみを選びます。皮を「毛捌き(けさばき)機」に通し、繊維状に加工します。この繊維は棕櫚毛と呼ばれます。棕櫚毛は水に強く腐りにくいため、和船の綱などとして利用されてきました。
繊維を整え束にしたあと、水で洗います。その後不揃いな先端部分を切り落とし、さらに束子の大きさにあわせて繊維をカットします。皮の先端部分と幹に近い部分では固さが違うため、カット後はそれぞれの固さに合わせ別の製品へと加工していきます。
ヘアピン状にした針金のあいだに、繊維をはさみます。
厚みが違うと、出来上がったとき、繊維のムラができ毛の抜けなどにつながるため、念入りに確認します。繊維の束を手でほぐしながら、均一な厚みに整えていきます。
針金を、力を一定にしながらねじり、一気に巻き上げていきます。
巻きが甘いと、使っているあいだに繊維が抜け落ちてしまうため、針金と棕櫚の限界までしっかりと巻きます。
専用の散髪機にかけ、外側に飛び出た余分な繊維を切り落としていきます。束子の大きさに応じて、それぞれ専用の散髪機があります。
丸い形にする場合は、芯にまきつけるようにして束子本体をまげ、両端の針金を留めます。
束子いろいろ
束子には丸めた形のほか、ねじったり棒状にしたもの、柄のついたものなど、用途にあわせて様々な形のものがあります。国産の棕櫚は繊維がやわらかく、食器を洗うだけでなく、入浴時にマッサージや体を洗うためのブラシなどとしても用いられています。
束子いろいろ「ささら」
「ささら」は繊維を束ねた形の束子です。束子よりも固めの、幹に近い部分の繊維を使ってつくります。束子と違って力をいれて洗うことができるため、研磨に近い使用感があります。先端がすり減れば、針金を外して繊維の長さを調整し使用することもできます。
高田耕造商店(株式会社コーゾー)
京都女子大学 生活デザイン研究所
提供: ストーリー

【資料提供】
髙田耕造商店(株式会社コーゾー)

【協力】
・和歌山県商工観光労働部企業振興課

【テキスト】
・山本真紗子(立命館大学)

【英語サイト翻訳】
・エディ― ・チャン

【サイト制作・編集】
・永友花奈、池田優花(京都女子大学生活造形学科

【プロジェクト・ディレクター】
・山本真紗子(立命館大学)

提供: 全展示アイテム
ストーリーによっては独立した第三者が作成した場合があり、必ずしも下記のコンテンツ提供機関の見解を表すものではありません。
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