1688年

京友禅 《手描き友禅》

立命館大学アート・リサーチセンター

江戸時代から栄えた、京都を代表する染色。主に「手描き友禅」と「型友禅」がある。

「京友禅」とは
友禅染は糊で防染し、地の色と模様を染め分ける技法です。京友禅の数多い制作工程は、それぞれを専門の職人が担当する「分業制」をとっています。呉服屋から着物の発注があると、白生地をもった「悉皆(染匠とも)」が、各職人・工場・工房をまわります。プロフェッショナルが高度な技術を持ち寄り、数か月かけて制作するのです。
「京友禅」とは
 「友禅染」と呼ばれるのは宮崎友禅に由来する、と言われています。宮崎友禅は元禄(1688~1704)頃、京都東山・知恩院前に住む扇面画を専門とした絵法師、と伝わります。彼は友禅染の技法の開発者ではありません。なぜ「友禅染」なのか?それは彼の生み出した意匠が非常に人気だったからです。友禅風の丸文様や絵画的図様は、尾形光琳にちなむ光琳文様とならび好評を博しました。
近代の京友禅
明治時代になると、海外から化学染料(合成染料)が導入されました。堀川新三郎(1851~1914)や廣瀬治助(1822~1890)により、化学染料による写し糊の技法が開発され、型紙をつかって染める型友禅が確立。プリント捺染技術の先駆けとなります。またいくつかの呉服屋が日本画家を雇い下絵を描かせることで、写実的な表現やそれまでにないデザインが生み出されました。大正期ごろは図案を専門とする図案家が職業として成立し、ユニークなデザインが生み出されていきました。
意匠の考案、下絵
 一般的に「友禅染」といってイメージされるのは、手描き友禅ではないでしょうか。筆や専用の刷毛をもちいて、職人の手によって描かれる技法です。まず、絵羽(着物の形)に生地を仮仕立します。おおまかに「あたり」をつけ(「付立て」)、「青花」で下絵を生地に直接描きます。 青花は下絵用の染料で、水洗いや熱による蒸しによって簡単に消えます。下絵後、仮仕立をほどき一反の生地の状態に戻します(「端縫い」)。
糊置 (糸目糊置)
 防染のため、下絵の線の上に糊を置く作業をします。古くは糯米、白ぬか・赤ぬかや石灰、蘇芳を混ぜて鍋で炊いた真糊(まのり)が用いられていました。現在はゴム糊も使用します。真糊とゴム糊では作業の順序も変わり、仕上がりも違います。糊筒は柿渋を塗った和紙の筒。金属のクチがついており、そこから糊を自在に出していきます。糊の細い線で繊細に多くの色を塗り分けます。
挿し友禅
 糊を置いて防染した内側に、目的の色に合わせた染料液を挿(彩色)します。細部の具体的な配色や、ぼかしの効かせ方、濃淡の出し方などは担当する職人のセンスにまかされています。先に模様を描き、その上に防染のための糊を置いてから(伏せ糊)、地色を染めます。
蒸し・水元
蒸し箱のなかに生地を入れ、熱と水分で染料を生地に染着させます。蒸し終わった生地の糊や余分な染料は水洗いします。「水元」、いわゆる「友禅流し」の工程です。以前は鴨川や堀川・桂川・白川・紙屋川など、市内の主要な河川で盛んにおこなわれていました。洗い流された染料の色により、川の水が何色にも染まっていたと言います。しかし、環境問題への意識が高まり昭和46(1971)年水質汚濁防止法が施行。川での作業はできなくなり、現在は作業場の中に人口水路を設けて行われています。
仕上げ
「湯のし屋」で、生地のしわを伸ばして幅をととのえた後、刺繍や金彩、補彩など、最後の仕上げをほどこします。「金彩」は金・銀箔や金属の粉を生地に接着加工することで「印金」とも呼ばれていました。ほかに型紙で生地に糊を摺り、その上から金箔をはって定着させる「摺箔」(すりはく)や、「通し」とよばれる竹筒に箔を入れて細かくしたものを生地に散らす「砂子」、金粉をとかして筆で描く「金泥描き」などがあります。また、縫い屋での「刺繍」、草花や人物の表情などの細部を顔料やアクリルカラーなどで補う「仕上げ」を経て、ようやく完成します。
立命館大学アート・リサーチセンター 協力:京都女子大学
提供: ストーリー

協力: 公益財団法人 京都伝統産業交流センター 京都伝統産業ふれあい館

監修&テキスト: 山本真紗子 (日本学術振興会特別研究員)

編集: 山本真紗子 (日本学術振興会特別研究員)

英語サイト翻訳: Juliet Winters Carpenter (同志社女子大学英語英文学科 特任教授)

英語サイト監修: Melissa M. Rinne (京都国立博物館

プロジェクト・ディレクター: 前﨑信也 (京都女子大学 准教授

提供: 全展示アイテム
ストーリーによっては独立した第三者が作成した場合があり、必ずしも下記のコンテンツ提供機関の見解を表すものではありません。
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