特別展 アンデスの鳥と羽根

Amano Pre-Columbian Textile Museum

古代ペルーの鳥をモチーフとしたデザインと羽毛を用いた作品をご覧頂けます。

はじめに
この特別展では当博物館が誇る、鳥をモチーフとした作品、あるいは羽根を用いた作品をご覧いただけます。その中で、過去のさまざまな文化によって、どのような違いがみられるかを解説していきます。

多彩なペルーの文化それぞれにおいて、鳥の羽をあらわした作品、あるいは羽根製の装飾品が発展していきました。

チャビン文化の羽根飾り 紀元前1000年ー100年
最も古いもので約3000年前に遡る羽根飾り。チャビンの初期の神官たちはこれを用いて鳥の力を自らにとり入れようとしていました。チャビンの石彫にもその様子があらわされています。

チャビン文化の石彫に描かれた人物。ネコ科動物に羽根をはやしたような姿をしており、右手に人間の首を持っています。

パラカス 砂漠の織り手たち 紀元前800年ー紀元後200年
パラカス文化はペルー南部の海外地域に栄えた高度な文化です。精巧に織られた織物やその他の工芸品、それらの多くにも鳥が登場します。羽毛そのものを使用した作品は少ないですが、非常に芸術性の高いものが今日まで現存しています。

パラカス文化おいては、死者は半人半鳥の姿をした精霊・神に伴われてあの世へ旅立つと考えられていました。

ナスカ 紀元前200年―紀元後800年
この文化はパラカス文化を継承しており、鳥のデザインや羽毛と非常に深いつながりをもっています。こうした装飾は貴族や神官に大変好まれていました。
モチェ 紀元後100年―800年
ペルー北部には幅の狭いオアシス地帯を伴う広大な砂漠が広がっています。モチェの支配者は、その700年に及ぶ歴史の中で周辺との強固な同盟関係を築き、その支配を継承していました。
戦士と首長のための羽根飾り
勇猛なモチェの戦士たちは、兜や被り物に羽根飾りをつけて、自身の素早さや勇気をあらわしました。
ワリ 西暦600年―1100年
ペルーの山岳地帯を起源とするワリ帝国は、周辺のさまざまな社会と交易をおこないました。季節による気候変化を利用した交易で利益を得て、近郊の小都市との結びつきを強め、ワリ社会は急速な発展を遂げました。そうした中で、ナスカやモチェ、カハマルカといった遠方に位置する社会にまでそのアイデンティティ、習慣を広く伝えていていったのです。
チャンカイ 紀元後1000年―1450年
優れた織の技術をもつチャンカイ文化はペルー中央部の海岸地域に栄えました。チムー王国のような大国との同盟関係をもち、発展していった文化でしたが、インカ帝国の出現・拡大に伴い、自発的にインカの権力に服する道を選びました。こうしてチャンカイの人々は独自のアイデンティティとその優れた織り手たちを守りました。
羽根飾りと権力
羽根を用いた冠などの美しい装飾品は、しばしば最高位の権力者たちのためにつくられました。
レースに描かれた鳥たち
頭部を覆うために用いられたレース。糸とそのデザインに精霊の力が宿っており、身に付ける人を悪霊から守ると信じられていました。
チムー 西暦900―1470年
チムーはモチェ文化の継承者であり、資源、支配者の権威、ワカの管理統制という側面で優れた王国でした。その権力はペルー北部の海岸地域の谷々のほとんどを支配下に入れるほどでした。
鳥と人の首
チュニックの一部に描かれたこの図像は人の首をくわえた鳥をあらわしています。人間を超えた存在である半人半鳥の支配者、「海鳥の末裔」である王の権威を象徴的に示しています。
羽根はどこから入手したのか?何の羽根なのか?
鳥の羽根を用いた作品はさまざまな文化にみられますが、その調達には2つの方法がありました。1つ目は近郊に生息する鳥を狩って、その小さくも美しい羽根を得るというもの。もう1つは遠く離れた地域との交易によって得るというものです。古くからアマゾンでは羽根の供給のため鳥の飼育がおこなわれれ、また羽毛への染色もおこなわれていました。具体的なところではフラミンゴやコンゴウインコ、オウム、ハチドリ、アヒル、サギ、海鳥の羽根が使用されていたことがわかっています。
インカ帝国 西暦1200―1532年
インカ帝国は新大陸における最大の帝国でした。その支配は南アメリカ大陸に現在ある5つの国の大部分をカバーするほどです。初めはクスコに興った小国に過ぎませんでしたが、周辺との婚姻関係で領土を広げ、最終的には外交的にも軍事的にも最も強力な帝国へと成長しました。
消滅しつつある羽根工芸
スペインからの征服者たちによってインカ帝国の時代が終わり、ラテンアメリカ世界は変化の時代に突入しました。西洋との文化的統合が進む中、多種多様な羽根飾りにも大きな影響を与えました。結果、今日においては羽根飾りづくりの伝統はほとんど失われてしまいました。しかしながら、アマゾンの集落の首長たちの冠やその集落のみに伝わる特別な踊りの際に用いられる飾りが今でも最もオリジナルに近い形で今日にその伝統を伝えています。
提供: ストーリー

展示デザイン:
天野プレコロンビアン織物博物館

財団長 / 館長:
マリオ・アマノ / ミカ・アマノ

学芸員:
ドリス・ロブレス / ブルーノ・アルバ

展示品:
天野プレコロンビアン織物博物館
ロサンゼルス・カウンティ美術館

写真:
天野プレコロンビアン織物博物館
ホセ・カルロス・オリージョ・プガ
アネル・パンコルボ

提供: 全展示アイテム
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