鳥取県の和太鼓

鳥取県

自然に育まれた伝統の音

和太鼓の里 日南町
鳥取県南西部に位置する日野郡日南(にちなん)町。なぜこの地で太鼓作りが始まったのか、正確なことは伝わっていません。県三大河川の一つである日野川をはじめ、1000m級の中国山地など、豊かな自然に囲まれたこの地では、材料である牛革や欅(けやき)などの調達が容易です。また、県境の近くに位置しているため需要のある地域へとすぐに出荷できたことが、その理由ではないかとされています。
大柄太鼓店
日南町で4代続く大柄太鼓店では、一子相伝で太鼓作りの技術が守られています。材料の調達から組み立てに至るまで、すべての工程を一貫して国内で人の手により行っている、全国でも珍しいお店です。
昔ながらの太鼓作り
化学薬品を一切使わず、自然由来の材料を用いていることが特徴のひとつです。その分遥かに手間と時間がかかりますが、品質に歴然の差が生まれます。妥協を許さない姿勢が、何世代にもわたって受け継がれる太鼓を生むのです。
古代から続く
和太鼓の歴史は古く、縄文時代にまで遡ることができます。古代、和太鼓は楽器としてではなく、専ら儀礼に用いられていました。
演奏のための太鼓が大陸から伝来したのは中世に入ってから。以来、田楽や芸能など、さまざまな分野で和太鼓は重用されています。特に近年では、全国各地で数多くの和太鼓グループが活動しています。
欅 ―胴の材料―
太鼓の胴部分には、堅牢で、密度が高く音の反響が良い欅が用いられます。木目の美しさも随一です。
乾燥
材料となる木材は冬に切り出します。木が生長する夏に伐採すると虫食いが多く、水分が抜けにくいためです。水分が多いとひびや割れが入りやすくなります。そのため、この状態で10年以上かけて乾燥させます。
胴の成形
機械で太鼓の形に削り出します。そこからもう一度乾燥させます。
木の内部をくり抜きます。ここが音の響きを左右する重要な工程です。くり抜いたあとの内側の木材は小さな太鼓作りに利用されるので、一つの木から大小多くの太鼓が生まれます。
牛皮 ―打面の材料
太鼓の打面には牛の皮を使います。この地域ではかつて、農耕のために使役する動物として牛が一般的だったため、牛は身近な存在でした。牛革特有の優れた粘り強さや強度が、和太鼓の良い音には欠かせません。部位によって皮の厚さ・個性が異なるため、太鼓の種類によって適した部位を使い分けています。
皮の処理
残留した肌肉を水洗いで取り払ったのち、1か月ほど溶液に漬け、脱毛を促進させます。
毛を処理したら、米ぬかと粗塩の溶液に1週間ほど漬け、皮に含まれている余分な脂肪分を除去します。
牛皮は部位によって厚みが違います。太鼓の音にムラがでないように皮の厚さを揃えなければなりません。皮鉋(かわかんな)という道具を使い、均等な厚さにします。
組み立て
胴と皮とを組み立てる作業です。打面の形に成形した皮を胴に合わせます。
皮をピンと張り、音の質や高さを決めます。一度鋲(びょう)を打って皮と胴を固定すると音は変えられなくなります。この作業のポイントは、今一番良い音に仕上げるのではなく、この先何十年と維持できる音に仕上げること。使い込むことによって味が出る音を生む太鼓にするための慎重な作業です。
仕上げ
鋲や飾り金具を取り付けて完成です。
修理・修復
太鼓職人の仕事は新しい太鼓を造ることだけではありません。現在の主な仕事は、調子が悪くなったり、壊れてしまったりした太鼓の修理です。「こんな音にしてほしい」といった要望にも対応することができます。歴史ある地域の宝である太鼓を未来へと伝える大切な仕事。昔の職人の技術を学ぶことのできる貴重な機会でもあるといいます。
親子で挑戦できるミニ和太鼓作り教室も開催しています。1時間程で完成する簡単な造りですが音色は本格的です。親子そろって夢中になれます。
次世代に繋ぐ
より多くの人に興味を持ってもらおうと、大柄さんが主宰し、奥日野源流太鼓を2001年に結成しました。
鳥取県
提供: ストーリー

【資料提供・協力】
大柄太鼓店
奥日野源流太鼓
東京国立博物館

【監修】
鳥取県
京都女子大学 生活デザイン研究所

【写真】
・前﨑信也(京都女子大学准教授)
・日南町企画課

【映像】
・高山謙吾(A-PROJECTS

【翻訳】
・ダニエラ・マジャーヌ

【翻訳監修】
・マーテイ・イエリネク

【テキスト・サイト編集】
・北山明乃(京都女子大学 生活デザイン研究所
・藤尾真以(京都女子大学 生活デザイン研究所
・古長史織(京都女子大学 生活デザイン研究所

【提供】
鳥取県

提供: 全展示アイテム
ストーリーによっては独立した第三者が作成した場合があり、必ずしも下記のコンテンツ提供機関の見解を表すものではありません。
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