西陣絣(にしじんがすり)

京都女子大学 生活デザイン研究所

染めた糸から生まれる模様

西陣絣(にしじんがすり)
プリントでは表現できない繊細なグラデーションと光沢が魅力のクラッチバック。 西陣絣(にしじんがすり)と呼ばれるこの布で、新たな物づくりがスタートしています。
西陣織(にしじんおり)のひとつ
京都には「西陣織(にしじんおり)」という日本を代表する織物があります。12種類の品種があり、その中のひとつである「絣織(かすりおり)」のことを「西陣絣」と呼びます。 日本各地に絣織の産地がありますが、その中でも西陣絣の魅力は、カラフルな色で染めた絹糸を使っているところです。
糸で模様を表現する仕事
西陣絣は絣加工師と呼ばれる職人の手によりつくられます。 色を染めわける防染のための括り(くくり)作業や、組み替え、ずらしを行うことで絣模様を表現します。
絹へのこだわり
日本の絣の多くは木綿の糸を使いますが、西陣絣では絹糸を用います。細く切れやすいため扱いが難しい代わりに、繊細な模様をはっきりと表現することができます。
歴史
絣はインドで発祥し、東南アジアから日本に伝播したといわれています。古くは正倉院御物にも見られる絣織物ですが、室町時代(1336-1573)には能装束、また江戸時代(1603-1868)には武家装束の地模様や、武家や公家の御殿で働く女中たちの衣装などに使われており、これらは西陣でつくられていたと考えられています。 昭和初期には絣御召(かすりおめし)が流行し、これが現在の西陣絣へとつながっています。
着物
一般的に西陣織と言えば帯ですが、絣は着物にも使われています。 代表的な着物として「絣御召(かすりおめし)」があげられます 。絹の光沢を生かした先染めの着物は深く繊細な色合をしており、着る人の心に彩を添えます。
枠張り(わくはり)・墨打ち(すみうち)
一般的に西陣絣は経糸(たていと)を染めて絣加工し、模様を出します。デザイン通りに糸を染めるため、染色する場所としない場所がわかるように印を打たなければなりません。大枠という四角形の枠に糸の束をピンと張る「枠張り(わくはり)」の後、印を打つ「墨打ち(すみうち)」を行います。この工程は「仕掛け」と呼ばれます。
括り(くくり)
絣の命ともいわれる工程が「括り」。 墨打ちに従い、糸を染めてはいけない場所を綿糸や耐水性のある紙、ゴムチューブなどで括っていきます。染色後に素早くほどけるよう、独特の括り方をしています。
糸染め
括りが終わった糸は染色工場で染められ、染色が終わると工房に糸をもどし括りを外します。 一度に染めることができるのは一色。 染める色の数だけ括りと染めの工程が繰り返されます。
へそあげ・巻きつけ
染色が終わると、同じ色・柄に染められた糸の束を毛糸玉のようにぐるぐると片方の手に巻きつけていきます。こうすることで糸が絡まるのを防ぐことができます。 巻き終わり手を抜くと、中心がへそのように見えることから「へそあげ」と呼ばれるようになりました。 へそあげした糸は次の作業のため太鼓という道具に巻きつけます。
柄組み
太鼓に巻きつけられた糸を並び替える「柄組み」。数千本から時に1万本を超える経糸を数えてデザイン通りに組み替えていきます。 糸数の多さも絣模様を繊細に表現できる理由のひとつです。
ずらしと梯子(はしご)
「柄組み」で並べられた糸を縦方向にずらし、絣模様をつくる工程を「梯子(はしご)かけ」と言います。 西陣絣ならではの梯子という道具を使い、高さの違う金属棒に糸を通すことで正確に糸をずらすのです。
経巻き
「梯子かけ」でデザイン通りに模様が表現されたら、最後に経糸をちきりという筒に巻き取る「経巻き(たてまき)」をします。 経糸が梯子を通過しデザイン通りにずらされながら巻き取られていきます。 絣加工師の作業はこれで終わり。巻きとった経糸は織屋で織られて「西陣絣」の布が完成します。
現在の西陣絣
最盛期の昭和30年代には約300人もの絣加工師がいましたが、現在はたった7人。40 代の若手が 1 人いますが残りの6人は高齢者で、後継者不足の問題を抱えています。 伝統を守るだけでなく新しい活用法を見出し広めていくため 、西陣絣の新たな物づくりが始まりました。
新たな物づくり
着物や帯といったこれまでの用途に加え、ストールやバッグなどが制作されています。カジュアルな服装にも合う普段使いしやすいデザイン。 新しいかたちの西陣絣が生活に溶け込んでいきます。
京都女子大学生活デザイン研究所
提供: ストーリー

【資料提供・協力】
いとへんuniverse
・徳永絣加工所
・葛西絣加工所
・白須美紀
株式会社 矢代仁
COS KYOTO
・杉本星子(お召しプロジェクト)
・高橋裕博(お召しプロジェクト)
・平林久美(お召しプロジェクト)
・葛西郁子(お召しプロジェクト)
・西嶋仁哉(近畿大学経営学科
・中田真規(近畿大学経営学科
・矢野智之(近畿大学経営学科
・川東未来(近畿大学経営学科

【テキスト・サイト編集】
・笠井貴江(京都女子大学現代社会学科

【英語サイト翻訳】
・エディー・チャン
・マーテイ・イエリネク

【プロジェクト・ディレクター】
・前﨑信也(京都女子大学准教授

提供: 全展示アイテム
ストーリーによっては独立した第三者が作成した場合があり、必ずしも下記のコンテンツ提供機関の見解を表すものではありません。
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