江戸時代のファッションブック

京都府立総合資料館

Inside the beautiful Fashion Books of the Edo Period

Japanese Dress; Kimono and Kosode
日本独自の衣服とは?と尋ねられたら、「きもの」を思い浮かべられる方も多いことでしょう。西洋の立体的な衣服とは異なり、「きもの」は直線で裁断された平面の生地を縫い合わせて仕立てる衣服で、形よりも表面のデザインが発達しました。

『百人女郎品定』1723年刊上巻部分(京都府立京都学・歴彩館(旧 京都府立総合資料館)蔵)
制作・撮影:株式会社堀内カラーアーカイブサポートセンター
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「きもの」のルーツをたどれば、平安時代までさかのぼります。いわゆる十二単(じゅうにひとえ)の上着である袿(うちき)は、袖口が大きく「大袖」といわれますが、中に着用した下着は袖口が小さいため「小袖」といわれました。その「小袖」に刺繍や絞り染めなどを施して華やかに表面を飾り表着へと発展するには、桃山から江戸時代に至る頃まで待たなければなりませんでした。

『百人女郎品定』1723年刊上巻部分(京都府立京都学・歴彩館(旧 京都府立総合資料館)蔵)
制作・撮影:株式会社堀内カラーアーカイブサポートセンター
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江戸時代になって社会が落ち着くと、染織技術の多彩な発展に伴い、機知に富む文様や豊かな色彩の「小袖」が次々に誕生します。江戸時代の「小袖」から時代の好みや生活様式の変化を取り込んで発展してきたのが現代の「きもの」といえるでしょう。
次に江戸時代の「小袖」事情を窺い知る最適な資料として「小袖雛形本」を紹介します。

What are Kosode Pattern Books?
Kosode pattern books (hiinagata bon) containing numerous different designs for kosode robes served as the fashion magazines of their day. They acted as a form of visual communication between the consumers who were looking to order new kosode and the artisans who would actually make them. These monochrome woodblock printed books typically have one kosode design per page, with the garment shown from the back. The patterns are depicted in detailed line drawings supplemented with written text. The text gives additional information such as the name of the designs, suggested colors, or techniques in which such designs might be executed. Through these books, Edo period connoisseurs could access images of the newest fashions of the day.

『当世光林新雛形名取川』1733年刊(京都府立京都学・歴彩館(旧 京都府立総合資料館)蔵)
制作・撮影:株式会社堀内カラーアーカイブサポートセンター
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こうした雛形本は江戸時代前期に発達した出版文化と、染織技術の改良、さらに京都・大坂・江戸の三都で活発になった流通が原動力となりました。また庶民の暮らしが豊かになり、衣装への関心も高まり、需要が増えたこともその要因といえるでしょう。

Characteristics of Some of the Kosode (Kimono) Design Books in Kyoto Institute, Library and Archives

These kosode design books in the collection of Kyoto Institute, Library and Archives were published in the 18th and 19th centuries. They include four different titles totaling seven volumes. The designs in these books are mostly organized by category, and their designs tend to have motifs clustered around the hem.

当流雛形京乃水(とうりゅうひいながたきょうのみず)
Tōsei hiinagata Kyō no mizu was published in three volumes by the Kyoto publisher Nagata Chōbei. The designs in each of these volumes are distinct. Volume I features designs that cover the entire surface of the kosode. Volume II includes mostly designs covering the lower part of the body (known as koshidaka monyō). Volume III has designs with separate themes above and below the waist.

Tōryū hiinagata Kyō no mizu, Vol. I

Tōryū hiinagata Kyō no mizu, Vol. II

Tōryū hiinagata Kyō no mizu, Vol. III

Tōryū hiinagata Kyō no mizu, Vol. III

当世光林新雛形名取川(とうせいこうりんしんひいながたなとりがわ)
『当世光林新雛形名取川』は他所の所蔵では3冊あり、当館には上・下巻があります。尾形光琳にちなんで18世紀前半に流行した光琳文様を多く含む意匠が特徴です。

Tōsei Kōrin shin hiinagata natorigawa, Vol I

Tōsei Kōrin shin hiinagata natorigawa, Vol I

Tōsei Kōrin shin hiinagata natorigawa, Vol II

Tōsei Kōrin shin hiinagata natorigawa, Vol II

雛形菊の井(ひいながたきくのい)
『雛形菊の井』は他所の所蔵では3冊ですが、当館はこのうち中巻のみを所蔵しています。袖の下の余白の所には、模様の配色や染織技法などが細かく書き込まれており、特に17世紀後半に開発された友禅染を活かした意匠が多く掲載されています。
新雛形千歳袖(しんひいながたちとせそで)
『新雛形千歳袖』は他所の所蔵では3冊あり、当館には上巻のみあります。江戸時代中期の相次ぐ奢侈禁止令を受けて文様が裾や褄裏に集まる頃のものです。背側の小袖形ではなく前身ごろの半身のみが掲載される図も登場します。

『新雛形千歳袖』1800年刊(京都府立京都学・歴彩館(旧 京都府立総合資料館)蔵)
制作・撮影:株式会社堀内カラーアーカイブサポートセンター
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『新雛形千歳袖』は他所の所蔵では3冊あり、当館には上巻のみあります。江戸時代中期の相次ぐ奢侈禁止令を受けて文様が裾や褄裏に集まる頃のものです。背側の小袖形ではなく前身ごろの半身のみが掲載される図も登場します。

『新雛形千歳袖』1800年刊(京都府立京都学・歴彩館(旧 京都府立総合資料館)蔵)
制作・撮影:株式会社堀内カラーアーカイブサポートセンター

所蔵の雛形本の特色
当館で所蔵している小袖雛形本は、江戸時代の18世紀から19世紀のもので、4種7冊あります。文様がやや類型化し、褄や裾に模様が集まっていく頃の意匠が中心です。

『当流雛形京乃水』1705年刊(京都府立京都学・歴彩館(旧 京都府立総合資料館)蔵)
制作・撮影:株式会社堀内カラーアーカイブサポートセンター

『当世光林新雛形名取川』1733年刊(京都府立京都学・歴彩館(旧 京都府立総合資料館)蔵)
制作・撮影:株式会社堀内カラーアーカイブサポートセンター

『雛形菊の井』18世紀刊(京都府立京都学・歴彩館(旧 京都府立総合資料館)蔵)
制作・撮影:株式会社堀内カラーアーカイブサポートセンター

『新雛形千歳袖』1800年刊(京都府立京都学・歴彩館(旧 京都府立総合資料館)蔵)
制作・撮影:株式会社堀内カラーアーカイブサポートセンター

提供: ストーリー

提供 京都府立京都学・歴彩館(旧 京都府立総合資料館)
京都市左京区下鴨半木町

提供: 全展示アイテム
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