日本の現代美術家。1980年に東京芸術大学芸術学科を卒業後、ローマとフィレンツェに3年間留学し、古典絵画の技法と修復技術を学んだ。和田の制作は、古典絵画の模写に始まり、次第に抽象的な絵画へと変化していく。1990年代に入り、絵筆を用いず、スプレーガンやたらし込みの技法による制作を開始する。和田の絵画は、形式的にはアメリカ抽象表現主義の画家たちの影響を受けながらも、その主題は母親が体験した原爆の強烈な輝きと、イタリア・ルネッサンス絵画の至高への精神がもたらす輝きが重なりあう新しい「光」を創造することにある。
本作のタイトルの《ATOMIC-ANGEL》は、原爆=ATOMと、イタリア留学時代に魅せられた初期ルネッサンスの画家フラ・アンジェリコが描いた天使=ANGELの精神を融合したいという思いから付けられている。