創造美術が新制作派協会と合流してまもなくの新制作展で発表された作品。「少年群像」(1950年)に引き続き子供をモデルにした一連の作品の一つであるが、この作品では、少年の色彩を抑えて裸童の姿態を一つのかたまりに見て構成したものと秋野は語っている。背景を箔で処理し、子供らしいしなやかな肢体を黒い輪郭線で描いて全体としてモノトーンで纏めており、その色彩の簡潔さゆえ、一層画面の力強さが際立っている。絵肌への関心と大胆な画面構成には、「生きた自分自身の表現を生みたい」という秋野の言葉に表現された強い意思が反映されている。