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Costume of Kabuki in Oronosima Island

UnknownShōwa Period(20th century)

Fukuoka City Museum

Fukuoka City Museum
福岡市早良区百道浜3-1-1, Japan

博多湾から北へ45㎞の玄界灘にある周囲3.3㎞の小呂島は、人口200人に満たない漁業の島である。島民の無病息災と大漁を祈願する「万年願」として神社に奉納されてきた芸能が村歌舞伎である。
村歌舞伎には、島の男は中学を卒業すると全員参加したが、中心となったのは20代から3O代の青年たちであった。彼らには専門の役者と同じように音羽屋・成駒屋などの屋号があった。筑前芦屋役者の尾上太三郎、大分県中津北原役者の中村松鶴などが師匠となって青年たちを指導してきたのである。
毎年旧暦6月30日の師匠の来島を待って稽古を始める習わしだった。旧暦7月1日から子どもの踊り、7日から台詞(せりふ)の練習、10日まで台詞合わせをし、1日から14日までは演目を3段ずつに区切っての立ち稽古となった。師匠の総仕上げを経て、18から20日の3日間が本番であった。芸題は毎年替さえて上演され、三番叟(さんばそう)、伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)、絵本太功記(えほんたいこうき)、仮名手本忠臣蔵(かなてほんちゅうしんぐら)、かな盛衰記(せいすいき)、菅原天神記(すがわらてんじんき)などなかなか多彩であった。賑やかな行事であったが、演じる青年が減ったこと、師匠を失ったことなどが原因となり、昭和45年頃から歌舞伎を上演することを止めた。
この打掛は、伽羅先代萩をはじめとする老女役に使われた衣装と伝えている。

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