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鬼神太夫

竹浪比呂央2007-08-02/2007-08-07

青森ねぶた祭

青森ねぶた祭
青森市, 日本

 昔、鳴沢小屋敷(青森県鰺ヶ沢町)に、一人の腕のよい刀鍛冶が住んでいた。彼には器量のよい娘がいたが、跡とりがいなかった。そこで、七日の間に十腰(十振)の刀を鍛えられる技量を持った者を娘婿とし、跡を継がせようとした。
 ある日、鬼神太夫という身なりのよい若者が訪ねてきた。そして、作業中絶対に鍛冶場をのぞかないことを条件に、この難題に挑んだ。ところが、不思議なこ とに何日たっても鍛冶場からは何の音もせず、食事をとっている気配もない。心配になった刀鍛冶は、こっそりと中をのぞいてしまった。するとそこには、おそ ろしい形相をした龍が口から火を吐き、刀を鍛えている姿があった。驚いた刀鍛冶は、娘をこんな化け物にはやれぬと、でき上がった一腰の刀を抜きとり、鳴沢 川に投げ捨ててしまった。
 約束の日の朝、何も知らない鬼神太夫は仕上げた刀を差しだした。一腰、二腰・・・と数えていくが、十腰ない。鬼神太夫は落胆し、そのまま東へ姿を消したのであった。
 十腰内という地名は、この話が由来になっているという。

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  • タイトル: 鬼神太夫
  • 作成者: 竹浪 比呂央、 青森菱友会
  • 日付: 2007-08-02/2007-08-07
  • 所在地: 青森市
青森ねぶた祭

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