白い伸縮素材が身体の線に張り付くようなドレス。その下の黒革のブラジャーが見えることを前提としている。
下着が表着化したようなファッションは、ボディ・コンシャスへの志向が再熱した1980年代からみられていた。その流れの上に、1990年代後半、キャミソールやスリップなどがトップやドレスなど表着としてより洗練されて、グッチやプラダなどの高級で先鋭的なブランドからも次々と提案された。下着は見えないという意識は変わっていった。
94年にグッチのクリエイティブ・ディレクターに就任したフォードは、ボディ・コンシャスを根底においたセクシーでミニマルな作品で、バッグ・ブランドだったグッチを総合ファッション・ブランドへと押し上げ、その高い品質と華やかな歴史を生かして見事にグッチを再生させたが、2004年に退任。