「プリーツ・プリーズ」に美術家を招いた「ゲスト・アーティスト・シリーズ」(1996-98年)の第二弾。写真家、荒木経惟の作品がプリントされている。左は《色少女》、右は《アラーキー》。ときとしてタブーにも触れかねない独特のエロティックな荒木の表現と、プリーツ・プリーズの明快な形やポップな色彩との対比が面白い。
三宅は一連のプリーツの作品を、93年「プリーツ・プリーズ」としてより着やすい服へと発展させ、世界的に愛用される服とした。これはサイズ・フリーで、脱げば平面へと還元され、軽く、皺にもならず、リーズナブルな価格。多忙な現代女性がまさに夢みた服である。製造方法も独自のもので、通常はプリーツした布帛を服に縫製するが、プリーツで減る分量をあらかじめ計算して縫製した服にプリーツを施す。ここには、三宅の出発点である「一枚の布」のコンセプトに基づきながら、デザイン性と量産性の両立というファッション産業の大命題が見事に達成されている。