1960年代のアートとファッションの関係を特徴づける既製服二点。
大衆消費社会が本格的に始まった60年代、アンディ・ウォーホルが牽引し、大量消費社会のありふれた品々を題材にしたポップ・アート、ヴィクトル・ヴァザルリやブリジット・ライリーらが中心となり、目の錯覚を研究・応用したオプ(オプティカル)・アートなど、アートは大衆の心をつかんだ。オートクチュールではサンローランがいち早くこうした新しいアートをファッションに取り入れたが、到来した既製服の時代、安価な既成服が特別な輝きを放ったとき、既製服にもアートがひろがった。アートとファッションは大衆という新しい対象によっても新たに繋がり、強い関係を築いていく。