様式化されたインド風花柄が赤を中心に、青、緑、黄色などの多色による手描きと木版ブロック彩色されたドレス。ドレスの形状はローブ・ア・ラングレーズだが、縫い直された痕跡から、もともとはローブ・ア・ラ・フランセーズであったと想定される。
インド製の手描きや捺染による絵柄の綿織物(インド更紗)は、17世紀に西欧で知られるようになり、大流行した。18世紀にはヨーロッパで捺染産業が生まれる。綿の捺染布は、繊細で異国的なモチーフと鮮やかな色彩で、室内装飾や衣服用の布地として流行した。インド更紗は、フランスでアンディエンヌ(インドのものの意)、イギリスでチンツ(色とりどりの意)と呼ばれた。