ザンドラ・ローズの初期作品。多色使いのサイケデリックなプリントの布地によるドレスは、1970年頃のヒッピー、サイケデリックなファッションをリードするもの。ローズはロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートを卒業後、テキスタイル・デザインからキャリアを始めた。1967年にロンドンでブティックを開店。非凡なイマジネーションと当時のサイケデリック・アートのような大胆な色彩感覚が生み出すプリント・デザインを活かした作品は、60年代末からアメリカで注目されたことを契機に世界的に評価された。作品からも、派手なヘアやメイクで知られる本人からもうかがえるその強烈な個性には、ヒッピーやグラム・ロック、ダンス・カルチャーなどに見られる当時ロンドンが世界に発信したポピュラー・カルチャーの諸要素が凝縮されており、70年代の時代精神を体現したデザイナーである。