クリノリン・スタイルが蘇ったような1950年代のイヴニング・ドレス。しかしドレス全面に散った大きなポピーは新鮮な現代性を示し、50年代の華やかな花柄の流行がみてとれる。テキスタイルは、当時のオートクチュールのメゾンに愛されたフランスを代表するサンテティエンヌの絹織物業社の一つ、スタロン社製。このテキスタイルは、同シーズン、パリ・オートクチュールのファットやデッセでも使われた。
バルマンは1945年に独立し、富裕階級の婦人達「ジョリ・マダム」を顧客に持った。50年代、ディオールらと共に、伝統的なエレガンスをパリに蘇らせたデザイナーの一人である。