Loading

Fisherman's Quilted Coats

UnknownMeiji-Taishō Period (19-20th century)

Fukuoka City Museum

Fukuoka City Museum
福岡市早良区百道浜3-1-1, Japan

古老によると、正月2日の船の乗(の)り初(はじ)めは正装で催すべき儀式であったが、紋付きを持たない者はドンザを着用していたという。博多湾口唐泊(からどまり)の漁民にとって、ドンザは晴れ着にも比されるものだった。
本来、船上での防寒・防水を目的とした仕事着であるドンザは、合羽(かっぱ)の登場まで漁師の必需品だった。この木綿の着物や古い布に刺し子を施した分厚く丈夫な着物は、長らく海の男たちを守ってきた。そして美しく刺されたドンザは彼らの自慢であり、あこがれだった。
福岡の伝説に、姪浜興徳寺(めいのはまこうとくじ)の開山、大応国師(だいおうこくし)が大陸からの帰路玄界灘(げんかいなだ)で嵐に遭遇したとき、宋で助けた兎(うさぎ)が波間を走り八大竜王(はちだいりゅうおう)となって船を救った、という話がある。波に兎の意匠は、夫の無事を祈る妻の気持ち
を反映したものかと思われるが、その華やかな図柄が周囲の目を集めたことは想像に難くない。格好良さこそは、漁師にとって一つの目標だった。
【ID Number1997P02382】参考文献:『福岡市博物館名品図録』

Show lessRead more
Fukuoka City Museum

Get the app

Explore museums and play with Art Transfer, Pocket Galleries, Art Selfie, and more

Interested in Fashion?

Get updates with your personalized Culture Weekly

You are all set!

Your first Culture Weekly will arrive this week.

Home
Discover
Play
Nearby
Favorites