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京友禅の名工・上野為二の作。1933年(昭和8)第13回秋の「美展」に入選した。波しぶきや石垣など、それぞれのモチーフの描写や色の配色には《白縮緬地近江八景模様袈裟》との類似点が多く認められ、為二はこの袈裟に着想を得て本作品を制作したと考えられる。小袖を一度ほどいて仕立て直した袈裟は模様が繋がっていないため、本作品はこれを繋がるように再構成しているが、元の小袖とは模様配置が異なる。しかし精緻な研究をもとに独自の解釈を加えて当代に蘇らせようという、作者の意欲が感じられる。
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