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如来頭部

不明2-3th Century

京都国立博物館

京都国立博物館
京都市, 日本

本像が製作されたパキスタンのガンダーラ(現在のペシャワール地方)は、インドのマトゥラーとならんで仏像誕生の地として有名である。マトゥラーの仏像がインド的な顔つきや姿をしているのに対して、ガンダーラのものはヘレニズム文化の影響を受け、ギリシア彫刻のように顔は彫りが深く、衣が厚手にあらわされるという特徴がある。
 ガンダーラでは古来より仏教が信仰されていたが、そこにギリシア系の文化をもつ人々が移住してきた結果、紀元1~2世紀(仏像の発生時期についてはいくつかの説があり、今も論争となっている)から5世紀頃まで仏像が製作された。その歴史のなかで3世紀前半ころまでが最盛期であったとされ、時代が降ると彫りに明瞭さを欠いてちいさくまとまったような表現となる。
 本像は首以下を失った頭部像だが、もちいられる石材は良質である。目鼻立ちも明瞭で頭髪の毛筋も鋭く彫り刻まれており、2世紀後半から3世紀はじめ頃のガンダーラ盛期の造像例と考えられる。この時期のガンダーラの如来像は、わが国の如来でなじみ深い螺髪(らほつ)(旋毛)ではなく、このようにウェーブがかかった髪にあらわされる。

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