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金銅錫杖頭

不明13th Century

京都国立博物館

京都国立博物館
京都市, 日本

錫杖とは、僧が持つべき18種の仏具のうちのひとつで、輪状になった金属製の頭部に数個の金属製遊鐶を通して穂部に柄を連結した杖である。杖を突いて歩行したり、振動させることでこの遊鐶が音を発し、遊行の道中、蛇や獣を避ける効果があるとされる。また、梵音具として妙音を発することで修行者の煩悩を打破し、仏性の目覚めを促すという効果もそなえる。
この錫杖頭は、左右各二ヶ所に括(くく)りをつけた輪を持ち、鎌倉時代の典型的な形状を示す。輪頂にもうけた蕨手の間に宝珠を奉安し、上段の括りに塔形をたて、下段の括り近くに三日月形の金剛牙(こんごうが)をあらわす。輪の下端の蕨手間には五輪塔を据え、蕨手上に浄瓶を置き、左右2個ずつ残存する遊鐶は断面菱形の線を屈曲させて独特の木瓜形(もっこうがた)とするが端部は接合されない。穂部は蓮弁を断面円形の二条線で扼(やく)した四節からなり、それぞれの節中の表現を全く違える点が特徴的である。特筆すべき作例として、本品と遊鐶の数や細部表現まで酷似する「金銅錫杖頭」がMOA美術館に収蔵されており、これは両者が同一工房で極めて近しい時期に製作された可能性を示唆する。鋳出と彫金の仕上がりは精緻を極め、この作行の健全さに加えて、鎌倉時代における仏具工房の実態を想像させしめる重要作品である。

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  • タイトル: 金銅錫杖頭
  • 作成者: 不明
  • 日付: 13th Century
  • タイプ: ・鋳造、鍍金
京都国立博物館

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