有願(1738~1808)は、江戸後期の曹洞宗の禅僧。禅僧としての名は海翁東岫というが、一般に有願、有願居士の名で知られている。越後の円通庵・万能寺等に住持。狩野派の絵師・狩野梅笑(法眼玉元)に絵を学んだ。書は狂草体と呼ばれる草書体をさらにくずし連綿とさせた書体を得意とした。
同じ越後出身の良寛と親交が深かったことでも知られ、良寛との逸話も多い。有願のことを詠んだ良寛の詩や、良寛が賛をした有願の画などが伝えられている。
渡唐天神図と呼ばれ。天神となった菅原道真が、円爾弁円に勧められ中国に渡り無準師範の弟子となり、袈裟を授けられたという渡唐天神伝説に基づく画題である。手に持っている梅花で道真(天神)であることを表現している。