長光は備前国(岡山)の、十三世紀頃に活躍した名工。常の作風と異なる、沸づいた乱刃調となる。同工作の剣は珍しく、頭が張らない鎌倉時代の剣の代表的姿を見せる。
この剣は立花宗茂秘蔵のものと伝わり、宗茂が戸次道雪のもとに養子に行く日、実父高橋紹運より、万が一自分と敵味方になった場合、先頭となって自分を討て、さもなくば潔くこの剣で自害せよという言葉とともに手渡されたというエピソードを持つ。宗茂はこの剣を常に身から離さず、紹運の形見と思っていたと伝わる。
1937年(昭和12)5月25日重要文化財に指定される。