豪華な室内着である。ステンシル・プリントによる立涌に蝶と葵の葉の文様は、日本の生地を写している。フォルチュニイは、様々な時代や地域から文様のデザイン・ソースを求めたが、その中には日本のデザインも含まれていた。本品のテキスタイルは、『芸術の日本』(1888年第2号)に掲載され、後に『エトフ・ジャポネーズ』(1910年)にも掲載された紋織ビロードの日本の帯地(現在、その帯地はパリ装飾美術館に収蔵されている)とほとんど同じデザイン。本品ではステンシル・プリントで柄を表現していている。ゆったりとした開放感を持つ日本の着物は、19世紀末から西欧で室内着として着られるようになる。欧米でも着物のイメージを採り入れた室内着やコートが作られた。