京の花街では、夏の挨拶に芸妓さんや舞妓さんがお得意先へ名入りのうちわを配る風習があります。白地に朱色で名入れされたこのうちわが「京丸うちわ」と呼ばれるものです。毎年初夏の頃になると、お料理屋さんやご贔屓の店先に、きれいどころの名前が華やかに飾られている光景を目にします。
京丸うちわの骨は一本の竹片から出来ており、竹の節目を境に上部を約42本に細かく割き、下の部分を柄にしています。この骨を整えて団扇の地紙を貼って乾かします。半月型のタガネでうちわの形にうちきり、縁紙を巻いて仕上げに、骨一本一本に竹ヘラで筋を入れていきます。定紋が入っているほうが表、名前が裏です。
「京丸うちわ」は株式会社小丸屋の登録商標です(登録商標第5673089号)。