フルタイトル:《『シャリヴァリ』1844年3月17日
(オデオン座の観衆の声)「作者を!……作者を!……作者を!……」
―みなさま、あなた方の待ちきれない想いも満たされることでしょう……みなさまには、非常に大きな、あえて申し上げるならば、当然の成功を収めましたすばらしい作品の作者を知りたがっていらっしゃいますが……その作者とは……それは、この、わたくしなのでございます!……》
日刊紙『シャリヴァリ』に掲載された風刺画のうち「青鞜派」と題されたシリーズは、のちに再版されるほどの人気を得た。「青鞜派」とは、婦人解放を主張した知識人階級の女性たちを揶揄した呼称。フランスでは七月王政によってフェミニズムの機運が高まり、男性と同様の趣味や執筆活動に勤しむ女性たちが現れたが、ドーミエはこうした当時の社会現象を風刺した版画により話題を集めた。