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イル・ド・フランス

アリスティド・マイヨール1925

埼玉県立近代美術館

埼玉県立近代美術館
さいたま市浦和区, 日本

パリのエコール・デ・ボザールで学ぶ。ボナールやドニ等と知り合い、〈ナビ派〉を結成。画家として出発し、タペストリー制作に向かう。タペストリーの細かい作業のため眼病になり、彫刻に転向。明快な構成と肉付けによって古典的表現と近代的感性を結合させた、フランスを代表する近代の彫刻家である。

イル・ド・フランスとは、パリを中心とする地域の名称です。この女性像は、マイヨールが64歳のときの作品ですが、すでに1910年頃から構想がねられ、胴体部分が21年に試作されています。当初、彼は「水の中を歩く少女」を想像し、彼女を抱きかかえながら川を渡ることができるほど小柄で軽い女性を理想としていました。マイヨールは実際にそのようなモデルと巡り会い、この作品を完成させました。〈ナビ派〉のグループの仲間であった画家のモーリス・ドニは、マイヨールの彫刻に関して、「素朴な官能、単純さ、気取りのない 高貴さは、むしろ、古典的な趣味を示し、あくまでも澄みきった真水の味わいをもっている」と評しています。

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