船形水差
16世紀中頃 ヴェネチア
アルミニア・ヴィヴァリーニ作(推定)
宙吹き、熔着装飾
ラッパ形の脚台の上に、帆船形の坏身が付き、船首に注口が付けられている。青と無色のガラス紐で、網目状の帆を船首と船尾に作り付け、船尾の帆の先端には角笛状の装飾を付けている。舷側には青い斑点を4箇所につけ、ドルフィンの眼を象徴している。また両側面に無色のガラス塊(プラント)を付けて獅子面を型押しして、その下部に船の吃水線を想わせる水平帯文が、細ガラス紐を巻き付けて表現されている。ムラーノ島で名工として名高かったアルミニア・ヴィヴァリーニが1550年頃に創作したと伝えられる船形水差が、大英博物館に所蔵されており、この作品はそれとほぼ同形式で、ヴィヴァリーニの作品と推定される。
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