戦後の日本を代表する現代美術家。1935年東京に生まれる。1958年東京芸術大学を卒業。1963年赤瀬川原平、高松次郎と結成した「ハイレッドセンター」の反芸術的なパフォーマンスにより注目を集める。また舞踏家・土方巽、小説家・澁澤龍彦らと交流しながら、彼らが手がける演劇の舞台美術を担当する等、様々な表現者と制作を共にしていく。1960年代後半から絵画制作に専念するようになり、鮮彩な「山頂の石蹴り」シリーズを経て、80年代より紫、白、灰色、緑を基調とする絵画の制作を手掛け始める。90年代からは絵画と展示空間と強く意識したインスタレーションを制作する他、晩年に至るまで絵画の根源的な問題に取り組み続けた。
本作では、光を放つように白い斑点が画面全体に広がっている。その画面は。柔らかな筆触で描かれたX字の反復による色帯によって左右に分断されている。画面中央の色帯の上には、大きな身振りで描かれたℓ字型のストロークが配されている。