高知の宝石珊瑚は、江戸時代末期以降の150年以上、採り尽くすことなく自然と共存するという持続可能な漁法で採取されてきました。しかし、今も昔も大きな材料を得がたいのは同じであり、近年は中国の経済成長などが影響して、サンゴの原木の価格の高騰も続いています。このことから、第一人者の前川泰山により、様々なサンゴを組み合わせて彫る「寄せ木彫り」の技法が試みられつつあります。また、珊瑚を粉末状にした「珊瑚抹」も考案され、作品に積極的に用いられつつあります。これにより、様々な色や形を持つ珊瑚を活用することができると共に、資源の保護が図られています。