柳川藩初代藩主、立花宗茂(1567-1643)の肖像画。
本図は、立花家とも縁の深い大徳寺の152世蘭渓宗瑛着賛し、宗茂十三回忌のために制作されたと考えられる。この肖像画と同一の賛文を有する貞享五年(1688)の土佐光起(1617~91)筆の画像が大徳寺塔頭碧玉庵にあった(現在は大慈院所蔵)が、これは本作の傷みが進んでいたことを憂いた三代藩主鑑虎が家臣に命じて新たに写させたものであると表褙に墨書されている。写本を作成したあと、本作は立花家に戻されそのまま蔵の中で保管されていたのであろう。絵師は不明であるが、勇将宗茂の相貌を偲ばせる貴重な作品である。