アジア・太平洋戦争前の日本で人気のあった新聞の四コマ漫画「ノンキナトウサン」の作者として知られる麻生豊(あそうゆたか)が描いた絵巻である。彼のアトリエがあった東京銀座に視点をおき、敗戦後の「復興」の過程を描いている。有楽町(ゆうらくちょう)、現在の銀座インズの辺りが画題にされている。背景には、中央に銀座ピカデリー、左に大きな朝日新聞社、そして数寄屋橋(すきやばし)がみられる。このとき残っていた江戸時代の江戸城の外堀も、現在では埋め立てられて東京高速道路となり、銀座ピカデリーや朝日新聞社のビルは有楽町マリオンとなっている。