1952年マドリッドのサン・フェルナンド美術学校で学ぶ。この頃プラド美術館でゴヤやベラスケスを模写する。53年にフィレンツェに移り、フレスコ技法等を研究。大きく膨らんだような人物を主に描き、軽妙でユーモアのある素朴な作風が特徴である。彫刻作品も多数制作している。
ボテロは、モチーフとなったものすべてをまるまると太らせてしまう独特の作風で知られています。はじめ、リベラ、シケイロス、オロスコといったメキシコの画家たちの影響を受けましたが、ヨーロッパに留学中、スペインの巨匠の作品と出会い、さらにイタリアではルネサンス絵画を模写するなど、西洋の絵画史への関心を深めました。1956年頃から表現に膨らみが現れ、現在の作風が固まるのは64年頃です。73年から彫刻の制作も開始。この作品は、78年に作られた小品の《横たわる裸婦》をもとに屋外設置用 として制作されたものです。豊かな起伏のある女性の肉体はボテロの格好の主題となりました。このふっくらとした女性像は明るくおおらかな純朴さをただよわせていますが、手に握られたりんごからエデンの園のイヴの姿をユーモラスに風刺していることがわかります。