その昔、中禅寺湖(現・栃木県日光市)の領土をめぐり下野国(栃木県)二荒山の神・二荒権現と、上野国(群馬県)赤城山の神・赤城大明神の間で争いが起こった。そこで両神による神戦で雌雄を決することになった。
赤城山の神は大きな百足に姿を変え、百足の大群を率いて日光へ攻め入った。一方、二荒山の神は蛇に姿を変え、蛇の大群を率いてこれを迎え撃ち、中禅寺湖 のほとりの群馬と栃木の県境で激しい戦いを繰り広げました。戦況は赤城山の軍が優勢となり、劣勢に立たされた二荒山の神は常陸国の鹿島大明神から助言を受 け、奥州の弓の名手、小野猿丸に助けを求めた。二荒山の軍に加わった小野猿丸は一際大きな百足が赤城の神だと分かり弓を射た。矢は見事に左目に命中し、赤 城の軍は逃走し、二荒の軍が勝利したのであった。
二荒山の神と赤城山の神が決戦したこの地は戦場ヶ原と呼ばれ、現在の栃木県日光は二荒山の「二荒」から由来しているとも言われます。