笠間という地域性を反映した笠間焼の内容、技法上の特徴とは何でしょうか。柿釉の上に黒釉、あるいは糠白釉の上に銅青釉の「流し掛け」を施した壺、甕、徳利などの素朴な日常陶器が、笠間焼にはよく見られます。笠間焼は酒、醤油、油、茶葉、穀物などの容器として使用されました。笠間焼によく見られる釉薬の「流し掛け」は、北は青森県の悪戸焼(あくどやき)、岩手県の小久慈焼(こくじやき)から、南は大分県の小鹿田焼(おんたやき)、鹿児島県の龍門司焼(りゅうもんじやき)など、日本の50以上の産地でも行われています。「流し掛け」は、笠間焼を含め、江戸時代以降の日本に普及した陶器の代表的な加飾技法でもあります。