東海道五拾三次之内　御油　旅人留女

御油は留女で有名な宿場で、『東海道中膝栗毛』（十返舎一九著）にも客引きをする留女の事が書かれている。道の真ん中では留女が旅人の首に掛けた荷物を後ろから引っ張り、もう一人の旅人は腕をつかまれ旅籠に引きずり込まれそうになっている。留女の体格は旅人より大きく、腕力もありそうだ。旅籠の土間の壁には丸に「竹ノ内」、講中札には左から「一立斎図」「摺師平兵衛」「彫工治郎兵ヱ」「東海道続画」と書かれ、この作品に関わった版元、絵師、摺師、彫師を讃えている。