花盛りの京の鞍馬山。
僧正が大勢の稚児を連れて花見にやってくる。すると、その席に怪しげな山伏が割り込んで来たので、僧正は花見を延期して稚児たちを連れて帰ってしまう。
ところが一人だけ帰らぬ子がいる。これこそが源義朝の子、牛若丸である。
その子が牛若丸であることを知った山伏はその日陰者の境遇を憐れみ、二人は暫くの間親しく語り合うこととなる。
やがて山伏は自分が鞍馬山の大天狗であることを明かすと、平家を討たせるために兵法の大事を牛若丸に伝え、源氏の再興を予言し立ち去ろうとする。
袖を取って別れを惜しむ牛若丸だが、戦場での守護を約束して大天狗は梢の奥に姿を消してしまうのである。
このねぶたは、若き日の牛若丸が、大天狗より兵法の奥義の伝授を受けた一幕を表したものである。